F1も採用するカーボン製ローターは最高峰!
ローターもカーボン製となると、さらに天文学的な値段になる。普通は鉄製ローターと金属成分入りのブレーキパッドが組み合わせられるが、レーシングカーや最高級モデルとなると、ローターがカーボン製になる。カーボンは熱に強く、レギュレーションで許可されているレースでは、おのずとカーボンローターが標準になる。F1もカーボンローターだ。パッドもカーボンを積層させたようなもので、カーボン同士が擦れ合うようなイメージ。
またカーボンは軽いので、ローターが軽くなるとバネ下重量が低減され、足まわりの動きが良くなる。同時にカーボンの軽さは回転慣性も減るので、ブレーキの利きもよくなりやすい。ハンドリングパーツでもあるのだ。
しかし値段は圧倒的。ポルシェのメーカーオプションで選ぶと200万円弱。エンドレスのR35/LC500用キットだと前後セットで約500万円となる。ぶっちぎりに高価だが、圧倒的に安定した利きがレースでの連続ラップを支えてくれるのである。
高価なキャリパーは剛性が高く踏んだときの踏み応えもすごい。ペダルストロークが少なく、扱いにくい(!?)と思うかもしれないが、短いストロークのなかでじつに繊細な調整ができる。ブレーキチューンならサーキット走行や、ワインディングを攻めなくても、街乗りの交差点などで止まるときから体感できる。高性能ブレーキは普通に止まるときにも使いやすい。いつでもどこでもその価値を堪能できると考えると、パワーチューンよりもいつでも体感できる分、高くてもアリかもしれない。