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低走行=極上じゃないから怖い! 80〜90年代旧車の「バリもの」に潜むワナ

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: Auto Messe Web

  • 走行距離2kmのメーター画像

  • 人気のR32GT-R
  • 走っているR32GT-Rの画像
  • R33GT-Rのエンジン画像
  • 走行距離2kmのメーター画像

一部モデルでは新車価格の数倍で取引される個体も

 旧車を得意とする中古車店を取材していると遭遇するのが、走行距離が極端に少ない個体だ。いわゆる納屋物などと呼ばれるもので、さすがに1970年ぐらいのリアル旧車ではないものの、1980年代から1990年代前半あたりのネオヒストリックやヤングタイマーと呼ばれるモデルだと結構存在する。このあたりだと10万km超えは当たり前だったりするが、ヒトケタ万km前半だったりする。

人気のR32GT-R

 30年落ちぐらいで、この走行距離だとバリモノだと思ってしまうが、実際はどうかというと、オーナーの維持の仕方にもよるが程度がいいとは限らない。基本的にはレストアなどしていない現状状態では程度はあまりよくないと思ったほうがいいだろう。もちろんショップであれば、不具合を解消したうえで販売するので、問題があるわけではないのでこの点は勘違いしないでほしい。「販売できる状態にするめ非常に手間がかかった」ということだ。

長らく始動していないエンジンにはサビの可能性も

 ではなにが問題かというと、ほぼすべてと言っていい。まずエンジンはオイルがそのままだったら中でスラッジが大量に発生していることがあるし、完全にオイルパンに落ちていれば油膜がなくなっているため、シリンダーがサビていることもある。そもそもガソリンタンクは内部がサビだらけ。キャブレターやインジェクションだと、腐ったガソリンが詰まっていたりする。某メーカーの博物館に行ったときに学芸員の方に聞いたら、「インジェクションはちょっと放置しておくとすぐにかからなくなるから大変」と言っていたのが印象的だ。

R33GT-Rのエンジン画像

 ボディも湿気によってサビるし、内装もなんともカビ臭かったりする。せいぜいいいのは屋内保管なら紫外線を浴びていないことぐらいか。また、足まわりも荷重がかかり続けるので、大物であればスプリングはヘタるし、各部のブッシュも潰れるだけでなく、油分が抜けて劣化もする。ブレーキもしかりで、ローターやドラムはサビだらけで、キャリバーは固着していることも多い。そもそもブレーキフルードは吸湿性があるので、内部に水分を呼び込みやすい。

 と、枚挙に暇がないが、とにかくクルマは動くのが前提のもの。それを止めたままにしておくというのはいいことではない。人間に例えるなら、ずっと寝ていると体が不調になりやすく、適度に運動したほうが健康なのと同じだ。

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