キャンプ初心者は知っておきたいクルマのマナー問題とは
クルマをサイトへと持ち込むことができるオートキャンプ場。駐車場から荷物を運ばずに済む便利な施設だが、多くの人が利用する場所であるために、しっかりと「マナー」と「モラル」を持って対峙することが重要だ。「そんなのわかってるよ」という方も多いとは思うが、基本に立ち返ってマナーとモラルを再確認してほしい。
正しい作法その1/受付時はアイドリングをストップ
オートキャンプ場に到着し、管理棟で受け付けを行う。そのときにエンジンをかけたままの人が意外に多い。暑い夏はエアコン、寒い冬はヒーターを入れておきたい気持ちは理解できるのだが、自然と向き合うアウトドアでは少しでも環境に対してローインパクトな行動を心がけ、エンジンを切って受け付けを行ってほしい。
正しい作法その2/敷地内走行時は徐行運転を厳守
キャンプ場からの指示に従い、指定されたサイト(区画)までクルマで移動する。そのとき、敷地内ではスロー走行が鉄則だ。子どもたちは「キャンプ場では自由で安全」という思い込みがあり、周囲を気にせず走りまわっていることも多い。
テントやタープの陰から飛び出してくることもあり、悲しい事故を防ぐためにも、いつでも止まれる速度を心がけてほしい。敷地内では歩行者が優先であり、キャンパーが歩いていたら積極的に道を譲ることがマナーであり、守るべきルールでもある。
正しい作法その3/駐車時は死角に注意するべし
サイトにクルマを止めたり出すときには周囲をしっかりと確認すること。とくにクルマの向きを変えるため、バックで転回する際はバックモニターだけに頼らず、同行者に目視・確認してもらうことをおすすめする。
観光バスがガイドさんによって後退の指示を受けているように、同行者に確認してもらいながら転回する慎重さが事故を防止することになる。キャンプ場では子どもが影から飛び出してくることを想定して運転することが事故を防止するキーポイントになる。
正しい作法その4/風の強い日はドアをしっかり閉める!
風の強いときにドアを開け放ったままでいると、ドアが風にあおられてしまい急激な勢いで閉まってしまうことがある。ドアが閉まる勢いは想像以上に強烈で、指を挟めば大きなケガに繋がってしまう可能性もあるので強風の日はドアをしっかりと閉めておこう。
長時間に渡りドアやハッチを開けておく場合、室内灯が点灯したままになる車種ではバッテリーが上がってしまうこともある。バッテリーが上がってしまえば救助が必要となり、誰かしらに迷惑をかけることになるので注意が必要だ。
正しい作法その5/オーディオの音が迷惑になることを忘れるな!
キャンプでは気持ちが高揚してしまい、BGMの音量が大きくなってしまうこともある。入退場のときだけでなく、キャンプサイトで音楽やラジオをかけるときには隣のサイトに届かない音量で使用するのがマナー。もちろん、夜間や早朝に音楽を流すのはタブーであり、自分本位の行為は絶対に避けること。
また、スマートキーでドアロックを解除すると「ピピッツ」とアンサーバック(動作確認音)が鳴る車種は要注意。静まり返った夜中に荷物を出し入れするときに響く作動音が不快感を与えることになる。また、スライドドアの開閉で「ガラララ……ドン」と大きな音を立てるのも迷惑行為。夜間にクルマのドアの開閉を行わないようにし、どうしても必要なときにはできるだけ小さな音で開閉するように心がけるべし。
正しい作法その6/早朝&深夜のクルマ移動は避けること
オートキャンプ場によっては夜間・早朝のクルマ移動禁止という場所もあるように、睡眠時間帯(サイレントタイム)にエンジンをかけ、クルマを移動することはオートキャンプのタブーになっている。例えば夜にコンビニや温泉施設に行くため、クルマを始動させるのは避けるべき行為。
ルールを守れない場合には、管理者から退場を命じられる場合もあるので夜間はクルマの移動、アイドリングは絶対に行わないことがルールでありマナーでもある。
【まとめ】何気ない日常的な行為が迷惑になることも……
オートキャンプ場は便利で快適な施設であるが、文明の利器であるクルマを乗り入れるために弊害も数多く発生する。排気音やアイドリング、ドアの開閉音に利用者のテントへ照射されるヘッドライト、そしてアンサーバック音やハザードの点灯、過敏に反応するセキュリティの警告音など、日常生活では気にならないものがキャンプ場では迷惑行為になってしまう。
そのほかにも敷地内での速度超過や砂塵の巻き上げ、指定区分を越えた迷惑駐車など、しっかりと自分を律することで防げる行為も少なくない。オートキャンプ場は多くの人たちが集う場所であり、パブリックな施設であることを頭に置き、つねに他人への配慮と優しさを持ってオートキャンプを楽しんでほしい。また、オートキャンプ場のローカルルールをしっかりと把握してから利用することもお忘れなく。