アウトドア人気で脚光を浴びる「シャコアゲ」カスタムのデメリットとは
まだまだ収束する気配がないアウトドアのブーム。その流れはクルマのカスタムにも波及しており、ローダウンと対極の『シャコアゲ』が大人気だ。以前はクロカン系ヨンクの専売特許のような手法だったが、軽トラックや軽バンでも多く見かけるようになった。クルマ止めや段差に神経質にならざるを得ないローダウンと違い、街乗りでのデメリットは皆無のように感じるかもしれないが、じつはシャコアゲならではのマイナス要素も少なくない。
カスタムしてから「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、見た目や走破性の高さとトレードオフされる要素を知っておこう。
リフトアップしたら強風では車体が煽られることも……
まずは車高が上がるほど風の影響を受けやすくなる点だ。とくにジムニーのような軽量級はわずかなリフトアップでも、横風に煽られてステアリングの細かい修正が必要だったり、フロアが押し上げられタイヤの接地感が著しく低くなるのだ。高速道路では法定速度で走るのすら危ない場合があり、ドライバーの疲労度も無風のときとは比較にならない。足まわりのチューニングやアライメント調整で多少は改善するものの、風に対しての脆弱性はシャコアゲの定めと覚悟しておくべし。
フロアが高くなるので乗降性の悪化は避けられない
次は乗り降りのしにくさだ。2インチ(約5cm)上げただけでも最初は違和感があり、小柄な人や荷物を抱えて乗り込むときはさらに大変。オーナー自身はともかく家族から不満が出るようであれば、車高の上げ幅を減らすか、乗降用のステップを使う方がいいだろう。
そして運転席の位置が上がることで視界も変化する。ノーマル車高より遠くが見渡せるのは大きなメリットである反面、足もとが見えにくく巻き込みの危険性が高まることも忘れずに。今まで以上に目視による確認を実行しつつ、ミラーの角度を変更するなどして対応したい。