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わかってる人は「豪華ミニバン」より「商用車」を選ぶ! 車中泊ベストが「はたらくクルマ」と言われるワケ

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TEXT: 並木政孝(NAMIKI Masataka)  PHOTO: トヨタ自動車/日産自動車/ボルボカーズ/ムーンフェイス/Auto Messe Web編集部

アウトドアでの商用車の美点は積載に長けたクルマであること

 今回のお題であるバンが車中泊に向いている理由は、商用車として生まれた素地にある。荷物が積みやすいようにフラットに設計された荷室スペースは凹凸が少なく、ベッドスペースとしても快適だ。また、荷物を運ぶためにサスペンションが固めに設定されていることもあり、大量のキャンプ用品を積載してもリヤが沈み込むこともない。ハイエースのリヤサスペンション

 逆に空荷(荷物を積まない状態)で走ると、リヤの荷重が低すぎて後部のトラクションが弱くなるのが欠点。だが、ベッドやダイネット、水まわりを常設し、テントやタープ、コンロ、ランタン、テーブル、チェアなどを積み込んだ場合には、荷物を満載した乗用タイプのミニバンよりも快適なトランスポーターとして性能を発揮してくれる。ちなみに人気のハイエースのバンモデルは1000~1250kgの最大積載量を誇り、1トン以上の荷物を載せて走れるというお墨付きが与えられているのは頼もしい限りだ。

結論はフラットな就寝空間が作れる商用車が最強!

 一般的なミニバンはセカンドシートやサードシートが豪華なこともあり、フルフラットにリクライニングさせてもシートの凹凸が邪魔になるのは否めない。座席自体が空間を圧迫してしまうことも車中泊を目的とする場合のウイークポイントになってしまう。30系アルファードのセカンドシート

 ところがバンの場合には、荷物を乗せるためにフラット形状となるラゲッジはマットを敷くだけで快適な寝室と早変わりし、座席がない分だけヘッドルームにも余裕が生まれる。もちろん車中泊として寝るだけのスペースとしても優秀だが、荷物を積むことを目的としたバンはキャンプ道具だけでなく自転車やトレイルバイク、サーフボード、スノーボードなど趣味のギアを積載することができるのも大きなメリットだ。NV200バネットと車中泊女子

 車中泊を目的としてバンを選ぶとき、簡単なアレンジで車中泊を楽しむこともできるが、DIYやサードパーティ製として市販されるベッドやダイニングキットを取り付けるカスタムベースとして選ぶ人も多い。豪華な家具付きの家ではなく、何もない部屋を自分でリノベーションをする感覚で楽しめる商用バン。遊びと宿泊を同時に楽しめる新たな時代の車中泊にとって最適なパートナーとして注目を集めている。

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