国産木材を使用したオシャレな仕上がり!
軽バン/軽トラ用リフトアップスプリングのパイオニアとして知られるフォレストオート・ファクトリー。同社が海が似合うオモシロいクルマを製作し、東京オートサロン2022で展示した。
その魅力的なクルマとは、2009年から販売を開始したFAFリフトアップスプリングのノウハウで足まわりをセットアップした、FAFビーチカー・シリーズの3台だ。東京オートサロン2022内で実施された東京国際カスタムカーコンテストのKカー/コンパクトカー部門において、1968年式のスバル360カスタムをベースとしたFAFビーチバンが最優秀賞を受賞した。ちなみにベース車のスバル360カスタムは、ノーマルモデルのルーフ後端を延長して荷室空間を確保しつつリヤゲートを追加し、商用バンとしての用途にも対応したモデルだ。
3台のビーチカーシリーズ
フォレストオート・ファクトリーの代表は子どもが3人いるため、FAFビーチカー・シリーズも3台体制にしたそうだ。第3弾として製作されたFAFビーチバン(ヒノキのスリットルーフが特徴)は次女で、1972年式のバモスホンダをベースとした第1弾のFAFビーチクルーザーが長女。そして第2弾として製作された、ダイハツ・フェローバギー(1970年に100台のみの限定生産車)がベースのFAFビーチバギーが長男となっている。
FAFビーチクルーザー
ヴィンテージ・ボートをイメージして製作したというFAFビーチクルーザーは東京オートサロン2020に展示され、FAFビーチバギーは昨年のオートサロンで披露される予定だった。しかし、コロナ禍の影響でオンラインでの開催となったため、東京オートサロン2022がリアルな場でのデビューとなった。FAFビーチカー・シリーズの最終章であり、浜辺のベース基地をイメージして製作されたFAFビーチバンも今年のオートサロンにて初披露された。
FAFビーチカー・シリーズは、木材を効果的に使用している点がポイントだが、その理由を伺ってみた。2019年9月5日に発生し、千葉県を中心に甚大な被害を出した台風15号によってフォレストオート・ファクトリーの商品倉庫の屋根が吹き飛ばされてしまったた。周辺の森林が倒木で大変なことになり、10日間の停電を経験したことから、森の手入れをしていないことを強く感じ、地域材の活用を思いついたのだという。
そのタイミングで地域材を活用して木製家具を製作している埼玉の家具職人と出会い、輸入材ではなく、FAFビーチカー・シリーズにも三富(さんとめ)の地域材を使うことにしたそうだ。インパネ部分に使われているのはチークで、フロアや荷室にはシデとスギが使用されている。
FAFビーチバギー
コロナ禍に少しでも笑顔を! という想いを込めてニコちゃんマークが多用されたFAFビーチバギー。ほかのFAFビーチカーと同じように足まわりにFAFリフトアップスプリングが組まれ、それに加えて、FAFバンパーガード、スクリュー付きヒッチメンバー、4連ランプ、ワンオフ製作ホイール、前後異径タイヤなども装備している。
個人的には、このFAFビーチバギーが白眉で、撮影しながら「首都高を走るのがツラそうだけど、乗って帰りたい」と思っていたことを最後に記しておく。