現代の道路事情に見合った性能を持つ2台を紹介
確かな技術、高いクオリティ、そして、豊富な実績でユーザーの豊かなカーライフを創造しているRocky Auto。旧車・名車の専門店として販売・整備を手がけつつ、往時の名車の内外装を忠実に再現し、メカニズムを現代のモノで構成した受注生産車も製作・販売している。
トヨタ 2000GTスーパーレプリカの「ROCKY 3000GT」はその代表例で、ほかにもR32型スカイラインをベースとした「R32 KEN&MARY GT-R」もリリースしている。
フレームから製作したROCKY 3000GT
東京オートサロン2022のRocky Autoブースにて、その2台のディテールを確認することができた。まずは、「ROCKY 3000GT」のほうからお届けしよう。以前、トヨタ 2000GTのオーナーを取材したときに「ROCKY 3000GTが登場してから、高速道路のサービスエリアなどで、これはレプリカですか? と聞かれるようになったんですよ」と言っていた。今回、ゴールドの「ROCKY 3000GT」を撮影しながら、たしかに一般の人が見たら本物と区別がつかないかもしれないな、とシミジミ思ってしまった。
レプリカは、もともとあるクルマをベースに製作されることが多いが、Rocky Autoでは、トヨタ 2000GTならではの流麗なボディラインやドライビングポジションを崩すことなく、排気量3000ccの2J型直列6気筒エンジンを搭載。
さらに現代のトランスミッション、足まわり、エアコンのユニットなど、当時のモノよりもボリュームがある各種パーツで構成されている。そのため、
オリジナルに近づけるためにわざわざフレームを製作し、それを採用したことにより、「ROCKY 3000GT」は現代版のトヨタ 2000GTとして蘇った。そして、トヨタ 2000GTのデザインを担当した野崎 喩氏が描いた美しいラインを崩すことなく再現することが可能となったのであった。
「ROCKY 3000GT」のオリジナル・ディメンションはトヨタ 2000GTのボディをデータ化することで再現性を高めている。ボディのほかにもドアやバックパネル、ボンネットなどもデータ化。図面や資料が残っていない部分に関しては実車からデータ化しているので、一般の人が見たら本物と区別がつかないような完成度になっているのだ。フェンダーミラー、ガラスモールバンパー、ライトグリルなどは本物と同じ素材にてメッキをかけることで当時の質感を損なうことなく再現している。
トヨタ 2000GTのテストドライバー/デザインアシスタントとして、開発チームの一員を務めた元レーシングドライバーの細谷四方洋氏がROCKY 3000GTの監修をしている。製作されたパーツは細谷氏が確認し、職人が一台一台丁寧に組んでいる点もトピックだ。エレガントなボディスタイルはもちろん、各部のパーツも細部に至るまで徹底的にこだわって製作しているのであった。
アナログと各種最新装備が融合しているインテリアは、オリジナルタイプの7連メーターを採用。オートエアコンの吹き出し口や操作パネルなどは、室内の雰囲気とマッチするように配置している。サイドブレーキは最新技術のフット式を用いており、ステッキレバーを引くことにより1発で解除可能だが、見た目がまさにステッキサイドブレーキ仕様となっているところもオモシロイ。
乗り降りときなどに身体を動かしやすいよう、ハンドルチルトも標準装備。使いやすい車内空間が確保されている。トランスミッションは電子制御式4速ATで、パワーステアリング、前後4輪ディスクブレーキ、電子制御式燃料噴射装置なども備わっているので、シチュエーションを問うことなく快適に走らせることが可能だ。普段使いから長距離ドライブまで安心して楽しめるので、ビギナーも臆することなく購入してみてほしい。