チャコールスターター選びのポイントは?
木炭の「火持ち」は木炭の種類やBBQグリルの大きさによるが、きちんと炭化され、においがなく煙や炎が上がらない国産木炭(岩手切炭など)であれば、家族とのバーベキューで使う木炭の量は2~3kgが目安だとされている。
よくあるチャコールスターターは高さ30cm程度、幅15〜20cm程度のものが多く、これでは一度に2〜3kgの木炭を入れるのは厳しい。
チャコールスターターに目一杯木炭を入れるのではなく、70%程度に抑えるのでかなり大きなモノが必要というわけではなく、一度に木炭を着火させる必要もない。最初に1kg程度を着火して、調理しながら残りの木炭に火をつければいいので、アウトドア専門店に並ぶチャコールスターターの容量で十分なのだ。
似たような容量のチャコールスターターから何を基準に選べばいいのかといえば、収納スタイルとハンドルだ。折りたたみタイプと組み立て不要タイプ、それぞれにメリットとデメリットがある。
■折りたたみタイプ→薄くたためて持ち運びやすい。つなぎ目がぐらつくモノがある。使っているうちに熱でゆがみ、組み立てづらくなる場合がある。
■組み立て不要タイプ→安定感が高い。収納サイズが大きく、使わないときに邪魔。
このあたりはクルマの収納力と好みの問題となるが、子どもに手伝ってもらうなら安定感の高い組み立て不要タイプのほうが安心だ。ハンドルをがっちり取り付けているものが多く、それも子どもが扱いやすい理由。
また、木製やハンドルバネなど太目のグリップがあるほうが掴みやすいことも覚えておこう。厚手のステンレスやスチールを用いた重量感のあるチャコールスターターなら、補助用のハンドルが付いて両手で持てるとより安心だ。
チャコールスターターを使うコツ
チャコールスターターの使い方は単純だが、いくつかポイントを抑えればより素早く木炭に火がつく。
木炭の切り口が上に向くようにして少し隙間を作りつつ7分目くらいまで入れる。木炭は、樹木の繊維が縮んで細い管を確認できるようになる。この管を上向きにすることで上に昇ろうとする空気の流れを妨げにくくするためだ。
また、良質な木炭を使っていても爆ぜることがある。これは木炭に残った湿気や温度差が原因。太陽に当てて湿気を取り除いてから、チャコールスターターに入れて火起こしすればかなり軽減できる。同様に、調理の途中で木炭を継ぎ足すときは、早めにグリルの保温エリアにおいて湿気を取り除き、温めてから燃焼中の木炭に載せると爆ぜにくい。
ゴトクを上部に取り付けて着火時の熱を利用できる、マルチユースタイプのチャコールスターターは幅広で、焚き火台を兼ねているものが多い。少量の着火剤では火がつきにくい場合は、薪といっしょに木炭を入れるなど工夫が必要だ。ほかに火消しつぼ兼用のチャコールスターターもある。
チャコールスターターを使えば、着火剤に載せて15分もすれば木炭に火がついている。キャンプを始めたばかりでは、テントを設営したあとでもランタンの準備などやることが多く大変。チャコールスターターの助けを借りて、限りある時間を上手に使おう。
何度も繰り返しているうちに木炭の扱いには慣れてくるもの。そのときには使わなくなるかもしれないが、薪対応のものであれば気温が低いときの焚き火にも重宝する。
炭起こし・火起こしに手間取る寒い日でも、家族みんなでスムースに準備ができるチャコールスターターは、ファミリーキャンプを盛り上げる名脇役だ。