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「スポーツカー=悪」が理由だった! かつて存在した280馬力規制と「突破した」スポーツカーじゃないモデルとは

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業/日産自動車/メルセデス・ベンツ/Auto Messe Web編集部

世界初の先進技術「ナイトビジョン」も採用

 サスペンションもフロントは自慢のダブルウィッシュボーン式、リヤにはアッパーアームと2本のロアアーム、そしてコントロールアームを備えたマルチリンク式を用いて運動性能を高めた。高性能の必需品であるブレーキも、キャリパーはアルミ合金製としてフロントには4ポット式、リヤはドラムインディスク式となり、ディスクローターは前後ともにベンチレーテッドディスクを採用。高出力に応える制動性能も確保した。4代目レジェンドのシャーシ透視図

 そして軽量化も重要だとして、ボディ骨格の主要部品の50%に高張力鋼板を採用。曲げ剛性やねじり剛性を30%以上も向上させながらも軽量化を図っており、プロペラシャフトはカーボン製としたことで、高い剛性と軽量化の両立を達成していた。

 ほかにも、当時最先端のプリクラッシュセーフティも装備され、追突軽減ブレーキや車線維持機能などが備わる。さらに、世界初となるふたつの遠赤外線カメラからの歩行者認知支援システム「インテリジェント・ナイトビジョンシステム」もあって、ホンダのフラッグシップにふさわしい安全性能を誇っていた。

ナイトビジョンのイメージ

残念ながら280馬力規制を打破したインパクトは残せず

 惜しいのは、これほどの高性能でありながら、それを感じさせない大人しいデザインであったこと。つまり、日本や欧州、北米のプレミアムカーに長年慣れ親しんだ人には、プレミアム性を感じさせないスタイリングであったことは否定できない。4代目レジェンドのフロントスタイル

 走らせても、先進の安全装備や高性能AWDが、普通に運転しているだけなのに介入してくることがあり、現在ほどに制御のうまさや曖昧さが少なかったことが残念。そして個人的な記憶だが、ホンダが高性能さをPRする活動を積極的に行ってこなかったことも残念だ。4代目レジェンドのTVコマーシャルは流されていたのだろうが、その映像や音楽がなかなか思い出せないのは、いまに思えば凡庸なCMだったのかもしれない。4代目レジェンドの市街地走り

 現在では280馬力オーバーのクルマは珍しくない。ところが軽自動車には、いまも64馬力の自主規制が存在する。軽自動車も安全性能が比較的に高まり、車両重量も重くなっていくなかでそろそろ撤廃されてもよいのではないだろうか? 軽自動車は日本独自のものだから64馬力でもよいでしょうという声もあるだろうが、燃費や環境性能を重視するユーザーが多い時代だけに、軽自動車も自主規制を撤廃して、逆に環境性能面での新しい敷居を設定したほうが良いのではないかと思う。

■4代目ホンダ・レジェンド(KB1型/2004年10月発売モデル)
○全長×全幅×全高:4930mm×1845mm×1455mm
○ホイールベース:2800mm
○トレッド 前/後:1575mm/1585mm
○車両重量:1760kg
○乗車定員:5名
○最小回転半径:5.8m
○室内長×室内幅×室内高:2025mm×1515mm×1180mm(サンルーフ装着車1160mm)
○エンジン:J35A型SOHC V列6気筒24バルブ
○総排気量:3471cc
○最高出力:300ps(221kW)/5800rpm
○最大トルク 36.0kg-m(353N・m)/4800rpm
○サスペンション 前/後:ダブルウィッシュボーン式/マルチリンク式
○ブレーキ 前後:ベンチレーテッドディスク
○タイヤサイズ 前後:235/50R17
○車両本体価格:525万円(税込)

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  • 4代目レジェンドの走り
  • SPORT HYBRID SH-AWD
  • ナイトビジョンのイメージ
  • 4代目レジェンドのリヤスタイル
  • 4代目レジェンドのフロントスタイル
  • 4代目レジェンドの市街地走り
  • J35A型V型6気筒DOHC VTEC
  • Z32フェアレディZの走り
  • W124型500Eの走り
  • Z32型フェアレディZ
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