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赤が定番の古い「アルファロメオ」を水色に塗ってみた! まさかの効果にオーナーもビックリ

クラシック・アルファを渋めの「水色」で塗ってみた

 クラシックカーに乗るなら、誰もがイメージするような定番のボディカラーも良いけれど、マイナー色だと同程度の個体なら割安で買えたりするし、あるいは自分専用に調色したカラーでリペイントしてみるのも一興というもの。何色だろうが、どうせ普段の街なかでは目立つことに変わりないのだし、マイナー色のクラシックカーだからこその楽しみ方もあるのだ。

クルマごとの「定番」ボディ色「ナショナルカラー」とは

 クルマのボディカラーを表す言葉として、「イタリアンレッド」、「フレンチブルー」、「ブリティッシュグリーン」、「ジャーマンシルバー」といった、クルマ好きにはお馴染みのモノがいくつも存在している。それらのルーツを探ると、創成期のF1グランプリなどを走っていたレーシングマシンの車体が「ナショナルカラー」に塗られていたという史実に辿り着く。

 クルマにおけるナショナルカラーとは、コンストラクターの国籍によって決められていた(習慣化されていた)車体色のことで、イタリアは赤、フランスは青、イギリスは緑、ドイツは銀または白、日本は白に赤丸(日の丸)といった色を採用していた。

 その名残で、いまでも自動車趣味人の間で顕在的、潜在的にナショナルカラーのイメージが息づいているが、それは新車のみならず旧車の世界でも健在だ。フェラーリやアルファロメオといえばレッド、アルピーヌといえばブルー、モーガンやMGといえばグリーン、メルセデス・ベンツといえばシルバーがいわゆる定番カラーとなっている。

車種も国籍も越えて「水色ミーティング」をやってみた

 いまでこそ筆者の愛機である1974年式「アルファロメオGT1600ジュニア」のボディカラーは水色だが、24年前に買ったときは御多分に洩れず定番カラーの赤だった。その後、魔が差して鈑金塗装時に白にしたことがあったが、ガレージ内にあった本棚の崩壊により、半年という短命で終了。2007年に、「シトロエン2CVフルゴネット」の色を参考として、グレーの成分が多い落ち着いた印象の水色で再度鈑金塗装してもらった。

 旧いアルファロメオのなかではマイナーカラーだといえる水色にしてから今年で15年ということもあり、もはや、筆者の周囲でわが愛機のことを正式な車名である「アルファロメオGT1600ジュニア」と呼んでくれる人は皆無で、誰もが「水色号」として認識してくれている。その水色号は、以前、自動車専門誌でイベント参戦記や長期レポートを執筆させてもらっていたこともあり、ジワジワ認知度が上がり、大変ありがたいことにオンラインではなくリアルな世界での「水色ミーティング」まで開催することができた。

 長期レポートを連載していた自動車専門誌が大磯ロングビーチで実施したイベント内でのコンテンツのひとつとして行うことができた「水色ミーティング」では、自動車趣味の大先輩たちの協力により、「フォルクスワーゲン・タイプ1(ビートル)」から「ランチア・ストラトス」まで、バラエティに富んだクルマを集めることができた。

 この「水色ミーティング」以降は目立った活動ができていない。だが、「水色号」で参加することが可能なイベント(大小の走り系/展示系)や、「東京オートサロン」のような大規模な催しにお邪魔した際には必ずほかの水色旧車の写真を撮るようにしている。それが縁で仲よくさせてもらっているオーナーが増えてきた。そう遠くない将来にふたたび水色ミーティングを開催できると思うので、機会があればその模様を報告できるかもしれない。

「水色」がつないだ高級ヴィンテージカー乗りとのご縁

 水色号がつないでくれた友だちの輪のなかには戦前の「ブガッティ」を愛用しているオーナーも含まれている。昨年、「クラシックジャパンラリー2021 門司-神戸」に参戦取材で赴いたときに、1928年式「ブガッティT37」の持ち主がスタート前にこんなことを言ってくれた。

「いつもSNSで水色号のことを拝見しています。いろんなところに行っていますね。水色号の色は本当にいい色合いだと思うので、僕のT37も同じ色にしようと思っているんですよ。似合いますかね?」

 またまたご冗談を……と思って、青いブガッティのボディを見つめていた目をオーナーのほうに向けたら真剣な表情をしていたので、急いで「T37には、いまのブルーが似合いますよ」と返答しておいた。水色号にまつわる数々のエピソードのなかでも、このブガッティの話は、いまのところ面白さ&車両の金額的に最高峰だ。これを超えるエピソードを得ることができたら、また書かせてもらおう。

 旧車をさらにパーソナライズしたかったら、ナショナルカラーにこだわることなく、好きな色で塗ってみるといいだろう。人の縁が広がり、自動車趣味生活がより充実すること間違いなしだ。

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