高性能エンジンへの換装はチューニングの定番
もともと選定されていたエンジンを、よりパワフルなものに積み替えてしまうエンジンスワップ。チューニングとしてはかなり大胆な手法になるが、それをチューナーではなくメーカー自身が行って市販化した例がいくつかある。
レース用エンジンを仕様変更して搭載したモデルも
国産車でいえば、古くは2代目スカイラインのS54B。第2回日本グランプリに勝つため、1.5Lの直4エンジンを積んでいたボディのエンジンルームを20mm拡張し、グロリア用の2L直6を無理矢理搭載した一台だった。
フェアレディZのZ432も、ハコスカの心臓部ツインカムエンジンで160psのS20を搭載したモデル(432=4バルブ・3キャブレター・2カムシャフトの略)。実質的には排気量の大きい240Zの方が速かったが……。
トヨタの初代レビン=TE27も、セリカ(カリーナ)1600GTに積んでいた1.6Lのツインカム=2T-Gをぶち込む反則技で生まれたクルマだ。マツダのサバンナも当初は10Aロータリーでデビューし、あとからカペラGS IIの12Aロータリーを積んだ「GT」を投入。ハコスカGT-Rを負かしたのもこのサバンナGT(RX-3)だし、フェアレディ240ZGだってかないっこない。
輸入車でいえば、1960年代に3L直6エンジンがベースだった車体に6.3LのV8を押し込んだメルセデスベンツの300SEL6.3や、ミディアムクラスのW124型に500SL用の4973ccV8を載せた500Eが有名(ポルシェが開発・製造。BMWのM5の対抗馬)。
またランチャ テーマ8.32も、フェラーリの308クアトロヴァルヴォーレ用3L V8を流用したワイルドなクルマだった。しかもFF!