生活四駆でも良いが荷物の積載力は不可欠
今や日本は空前のアウトドアブーム。コロナ禍の影響もあり、大自然のなかで他人との接触機会の少ないアウトドアライフは、これからも一段と人気を増していくことは必至と言える。しかも、アウトドア人口が増えたことで、アウトドアフィールドも激変している。
つまり、アウトドア初心者やアウトドア女子でも気軽に訪れることができ、無理なくアウトドアが楽しめる環境の整備が進んでいるのである。そう、クルマで行くにしても、タフなクロカン、走破性に優れたSUVでないとたどり着けない……なんていうことはまったくない。
それこそ、2WDのセダンでさえ、苦労することなくアウトドアを満喫できる時代になっている。そう、現代のアウトドアではほとんどの場合、”本格4WDは不要”と言ってもいいのである。とはいえ、アウトドアやキャンプでは、それなりの荷物を積み込む必要がある。セダンのトランクでは物足りない場合もあるだろう。
SUVやクロスオーバーSUVの本格4WDを選ぶ必要はない
さらに、せっかくアウトドアライフをスタートさせるなら、アウトドアに似合うクルマがベターであることも事実。といって、SUVやクロスオーバーSUVの本格4WDを選ぶ必要はない。
上記のように、アウトドアフィールドへのアクセスは道も整備され、フィールド内にしてもゴリゴリの4WDじゃないと安心して走れない、ということなどないのである。だって、極悪路の先にある本格四駆じゃないとたどり着けないようなアウトドアフィールドやキャンプ場だとすれば、お客さんは限られて商売として成り立たないということだからだ。
よって、本格的な走破性を語るところでは取り上げられない、”なんちゃってSUV”で、ほとんどの場合(急激な天候変化、路面変化は別として)、OKなのである。ただし繰り返すけれど、荷物の積載力は不可欠であることだけは忘れてはいけない。
荷物多めのアウトドアにむしろぴったりのクルマ
例えば、コンパクトミニバンのジャンルにある、ホンダ・フリードの2列シート版「フリード+」、トヨタ・シエンタの2列シート版「FUNBASE 4WD」。このような本格4WD性能はこそ持たないものの、5ナンバーサイズのボディからは想像もできない大容量のラゲッジスペースを備えたクルマで十二分だ。いや、より適していると言えそうだ。
また、ソロ、カップルでのアウトドアなら、軽自動車では最低地上高が標準車と変わらない。しかしプラスαとしてのアウトドアテイストあるスズキ・スペーシアギアや、三菱eKスペースクロスのような、スーパーハイト系の“なんちゃってクロスオーバー軽”の後席をフラットに格納した状態でも、もうバッチリなのである。
そして4WDモデルならそれなりに高い走破性を備えた、なおかつラゲッジスペースの使い勝手、容量に優れたトヨタ・ライズ&ダイハツ・ロッキーの2WD=FFモデル、トヨタ・ヤリスクロスの2WD=FFモデルといった車種でも最低地上高には余裕があるから、ちょっとした悪路なら2WDでも困ることはまずないはず。
しかも、2WDのほうが、ラゲッジスペースがたっぷりしていることも多々あるから、一段と今どきの初心者にありがちな、荷物多めのアウトドアにむしろぴったりという言い方もできたりするのである。