パーツからの危険信号を見逃すな!
どんなに高価なチューニングパーツであろうと、経年劣化は決して避けることのできない運命だ。とはいえタイヤのように目で見てわかりやすいケースは少なく、本来の性能を発揮できなくなった状態で使い続ける人も多い。そこで代表的なパーツが「そろそろ限界!」と訴えかける、メンテナンスや交換のサインを挙げてみたい。
マフラー:音量が大きくなったら要注意
まずはマフラー。穴が開いた場合を除き排気効率が落ちることは考えにくいが、一般道を走るなら消音効果の低下にも気を配るべきだろう。スポーツマフラーはおもにグラスウールと呼ばれる吸音材を使っているが、長く使っている間にちぎれて減ることで消音効果が落ちてしまうのだ。
なお純正マフラーはサイレンサー内にいくつも隔壁を設ける、多段膨張型と呼ばれる仕組みを採用し消音効果も耐久性も高いが、排気効率はストレート構造のスポーツマフラーに及ばない。新品のころと比べて明らかに音が大きくなったと感じたら、取り締まりに遭ったり車検で落とされる前に対策すべし。
エアクリーナー:走行状況によって交換サイクルは変わる
次は吸気系でエアクリーナー。純正交換タイプも剥き出しタイプも吸気効率が高く、パワーアップには欠かせないアイテムのひとつだ。しかし、空気を多く吸い込むということは、そこに含まれるゴミなども多く集まるため、当然ながら交換サイクルは純正より早い。参考までにHKSは乾式フィルターなら6~12カ月または6000~10000km、湿式フィルターは3~6カ月もしくは3000~5000kmと指定している。
ただし、砂地や未舗装路を走行することが多いなど、環境によってライフが短くなる可能性もあるので、定期的にボンネットを開けて目視で確認しよう。剥き出しタイプのエアクリーナーであれば、交換用のフィルターは2000~3000円が相場のようだ。
サスペンション:異音や車高がより低くなったら注意
続いてサスペンション。車高調の寿命は街乗りがメインなら5年や5万kmといわれるが、性能は徐々に落ちていくし使い方によっては1発で終わることもある。わかりやすいサインのひとつは摺動音。ダンパーが伸縮するときの音が明らかに大きくなったら、今すぐ交換やオーバーホールが必要とまではいわずとも、新品のときから状態は悪くなっていると考えていいはず。
ジャッキアップしてタイヤを外したうえで目視し、オイル漏れやロッドに傷があれば早めに対応しよう。また見た目ではわかりにくいがスプリングも経年劣化するので、新品のときと比べて明らかに車高が低くなったように感じたら、最低地上高が保安基準の9cmを満たしているか確認したほうがいい。