クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • 曲がりやすくするための装置「デフ」をわざわざキャンセル! 「LSD」は何のために必要なのか?
CUSTOM
share:

曲がりやすくするための装置「デフ」をわざわざキャンセル! 「LSD」は何のために必要なのか?

投稿日:

TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: 加茂 新/Auto Messe Web編集部

LSDチューンの定番「シム増し」は現代ではほぼ不要

 1980年代から言われる「デフはシム増しでバッキバキだべぇ!」というのは、イニシャルトルクを上げてもっといつでも効かせようということである。そんなに四六時中効いても不快なだけなのだが、当時はLSDが入っていることをアピールしたかったのだろう。

 コンクリートの駐車場で「シュコシュコシュコシュコ」と音を発しつつ曲がらないとダメだと豪語する先輩がいたものだが、これはロック率を上げて、ほぼデフロック状態じゃなきゃLSD入っているかわからないだろ! と言いたかったのではないかと推測される。

 どちらも当時のタイヤの性能ではアリだったかもしれないが、現代のタイヤでは不要。むしろ邪魔である。タイヤのグリップ力はここ20年で飛躍的に高まり、想像を絶するほどである。それだけグリップ力があるので、イン側タイヤが加速時に空転しないギリギリの効きの方が、コーナリング時のブレーキング効果も少ないし、タイヤへの負担も少ない。LSD本体への負荷も減る。

シム増しは、LSDのイニシャルトルクを上げていつでも効かせるイジりかた

LSD用のオイルを使ってバキバキ音のないセットを

 ちなみにこの作動時の「バキバキ音」は「チャタリング」と言われる。金属プレート同士がバキッとズレ、またバキッとズレるときに鳴る音であるが、現代ではほぼ鳴らない。いまだに「LSD入れたいんですけど、バキバキ音が家族に不快感を与えるかも……」と心配する人もいるが、今どきバキバキ音なんてしない。していたらなにか間違っている。

 LSDメーカーではそれぞれ自社で専用オイルをリリースしていて、これがまたそのメーカーのLSDに入れると見事にチャタリング音がしないようになっている。そのほかのオイルメーカーのデフ用オイルでも、いまどきバキバキ鳴るようなことはまずない。もし、バキバキ鳴っているようならセッティングか、オイルか、なにかが大幅に間違っている。お店で診てもらうことをおすすめする。

 ちなみにLSD非対応のギヤオイルを入れると強烈にバキバキ鳴ることがある。サーキット走行などでデフオイルの温度が上がりすぎて、大きなダメージを受けたときにもバキバキとなることがある。どちらも速やかに適切なオイルに交換してもらいたい。過度にバキバキと鳴ってプレートを摩耗させていくと、イニシャルトルクが落ちてきてしまう。長くLSDを楽しむためにも、バキバキ音のしない正しいセットで使ってほしい。

バキバキ音のしない正しいセットで使いたい

 

12
  • 純正(オープンデフ)のままだとリヤ内輪が空転しはじめる
  • チューニングの定番は機械式LSD
  • シム増しは、LSDのイニシャルトルクを上げていつでも効かせるイジりかた
  • バキバキ音のしない正しいセットで使いたい
すべて表示
  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS