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「デュエットクルーザー」に「サイバー・スポーツ」! 若者を熱狂させた「ホンダCR-X」の魅力とは

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

エクストラウインドウを採用した2代目CR-X

 そして1987年9月になると、CRーXは“サイバー・スポーツ”と謳った2代目へと進化。初代はポップなイメージのカタログだったが、2代目では黒一色の表紙で、グッとクールなイメージで攻めてきたのが印象的だった。2代目ホンダCR-X

 2代目は初代に対しホイールベースが+100mmとされたほか、トレッドは前/後で+50mm/40mm拡大。スタイリングは初代のイメージを踏襲しながらよりスムースなフォルムへと進化し、裁ち落としのテールエンドには、新しくエクストラウインドウと呼ばれる、スタイリングと後方視界を両立させるドット印刷が施されたウインドウが追加された。2代目ホンダCR-X

 アウタースライドサンルーフのほかに、ルーフのほぼ全面をガラスとしたグラストップも加えられた。搭載エンジンはデュアルキャブの1.5Lと、初代同様の1.6L・DOHCのZC型(ネット値で130ps/14.7kg−m)を設定。サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、俊敏性、なめらかさ、乗り心地をバランスさせていた。2代目ホンダCR-X

オープンとクーペを符合させたスタイリングが特徴的だったデルソル

 ところでご記憶の方も多いと思うが、CRーXは1992年2月に登場した3代目で、デルソルという名のオープンとクーペの2通りのスタイルを1台で実現させたクルマへと生まれ変わった。当時の広報資料には“スペックを至上とし、操る人を緊張させるようなスポーツではなく、乗る人の心をどこまでも解放に導くような、おおらかなスポーツ”とある。善し悪しの言及は置いておくが、それまでの方向性を180度転換させる、その意味でひと頃のホンダらしいクルマではあった。3代目ホンダCR-Xデルソル

 もっとも注目されたのは“トランストップ”と呼ぶ電動開閉式のハードトップだ。ルーフ両サイドのロックを外しスイッチ操作を行うと、後方でせり上がったトランクリッドのなかからフォーク状のスライド機構がルーフを迎えに来て掴むと後退。その後ルーフがトランクに格納されるという、相当に凝ったメカニズムのものだった。3代目ホンダCR-Xデルソル

 ほかに手で脱着させるマニュアル式も用意されており、“太陽のスポーツ”“2ウェイ・パラダイス”と、肩ひじ張らないコンセプトでわが道を行ったクルマだった。防塵性・防滴性を考え、オーディオはフタ付きというコダワリも見逃せなかった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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