GT-Rのトルク制御すら霞んで見える
4WDを体感したあとにFFモデルの基準車や「ノートオーラNISMO」に乗ると、今回のような路面ではさすがに物足りなく感じる。発進時には簡単に進路を乱し、減速時には不安定感がつきまとうのだ。舗装路では輝いていたクルマも、女神湖に来ると霞んで見えてしまう。NISMOにも4WDをと願うが、重量増を補うだけの動力性能を与えられなければダメだというのが日産の考えのようだ。
「スカイライン」(FR)や「GT-R」(4WD)にも同じコースで乗ったが、やはり扱うには難しさがあった。具体的に言えば、求めた通りにトルクが発生せず応答遅れが顕著であること、さらには滑ってから収めるという制御の遅れもまた気になった。
いま氷上ベスト日産車はノートオーラe-POWER 4WD!
実際にはタイムを計測することはなかったが、今回もっとも速かったのは間違いなく「ノートオーラ」の4WDモデル。スカイラインの「400R」だろうが「GT-R」だろうが、やはり霞んで見えてしまったのだ。
ならばどこまで楽しめるのか? 最後はノートオーラ4WDの「VDC」をオフにして定常円旋回やスラロームで思い切って走らせてみた。すると、定常円では本格ラリーカーのようにドーナッツターンをキメることも可能! ドリフト円旋回もずっと続けられるほどのコントロール性があったのだ。右足の要求を即座にリヤへ与えられる感覚があるこのシステムは、最大で70%ほどリヤに駆動力を配分できるという。おそらく舗装路じゃこうはいかないのだろうだが、今後のモーター駆動は安全なだけでなく、とっても面白そうだということも理解できた今回の試乗だった。