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もはや絶滅危惧種の「ドアバイザー」! コロナ禍で再脚光を浴びていた

雨天時の喫煙ドライブに重宝する便利アイテム

 自動車の側面の窓の上部に備わる「ドアバイザー」。日本では当たり前のようにクルマに付いているこのパーツはいつから、そして、なぜ備わるようになったのだろうか? そんなルーツを探ると、コロナ禍の現代でも役立つ優れものアイテムであることがわかってきた。

そもそもドアバイザーって何?

「ドアバイザー」というパーツをご存知だろうか? その名の通り、ドアの上部についている庇(ひさし)のような形状のパーツだ。かつては写真のような金属製が主流だったが、現在ではほとんどがスモーククリアのプラスティック製となっている。このバイザーのおかげで、雨天時に換気のため窓を開けていても中に雨が入ってこない。これがドアバイザーのおもな役割だ。かつては喫煙者が多かったことから、車内換気のアイテムとして重宝され、普及したというわけだ。

多くのクルマにドアバイザーが備わる理由

 昨今は健康意識の向上によって、喫煙人口は急激に減少しているが、それでもなおドアバイザーを装着した車両が多いのはなぜなのだろうか? じつは国産車の多くは新車販売時に、フロアカーペットなどとまとめてひとつのセットオプションとして設定されていることが多く、おまけで付いてきてしまうことが多いのだ。

 ドアバイザーをよく見てみると、TOYOTAやNISSANといったメーカー名やCROWNといった車名のロゴが入っているケースが多い。こういったバイザーはほとんどがメーカーのオプション装着品と考えていいだろう。

 じつはこのドアバイザー、かつては輸入品がメインだったのだが、現在では日本ばかりでポピュラーな「ガラパゴス」アイテムとなっている。

サッシュレスドアにもバイザーは存在する

 元々は「ドアバイザー」というだけあってドアフレームに装着していたが、時代とともに窓枠のないサッシュレスドアが多くなってくると、ドアには装着せずルーフに装着するタイプも登場する。つまりドアを開けた際にはボディ側に残ってしまうのだが、ドアを閉めた状態なら窓を下げても雨よけの効果はあるという仕組みだ。果たしてこれをドアバイザーと呼ぶのかは微妙だが、同じ目的のためのパーツであることは間違いないだろう。

コロナ禍でドアバイザーが見直されている

 じつはそんなドアバイザーがいま見直されている。ご存知の通りコロナ禍で換気が必要不可欠となった現在、車内換気を促すバイザーはふたたびその需要が高まっているのだ。

 ちなみにこの写真はドアバイザーではないのだが、バスの窓に装着する「ウインドウバイザー」で、換気のために窓を開けても雨の侵入を防ぐことができるというアイテム。現在路線バスで順次導入され新型コロナウイルス対策にひと役買っているそうだ。

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