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極端な過保護は必要なし! 勘違いだらけの旧車ライフの本当

旧車の代表格ハコスカGT-R

クルマは走らせるためにあるもの

 旧車の注意点としてよく耳にするのが、古いクルマだからあまり乗らないとか、ゆっくり走るといったこと。優しくしないとダメという気持ちはよくわかるのだが、少々違う気も正直する。古くてもクルマはクルマ、走ってナンボというのは基本だと思う。旧車だからといっても、絶対的な性能は別にして現役当時は普通に走っていたわけで、過保護にする必要はない。

当時からオーバーヒートなどが多発したわけではない

 例えば、オーバーヒート気味でも旧車だからで済まされてしまうこともあるが、1960年代はモータリゼーションと高度経済成長などで、各地で大渋滞が発生。交通戦争と呼ばれるほど混沌としていた時代で、道にはクルマが溢れていた。それでもオーバーヒートは頻発していなかった。もちろんそのためにメンテナンスはしっかりとするのは大切で、初期化的な配慮はつねに必要だろう。もちろん暖機などの儀式的なものも守る。

 そのうえで、壊れたら直せばいいというのもひとつの真理だ。専門店があったり、消耗品を中心にしてパーツをストックしていて対応できることが前提ではあるが、壊れるのがイヤで乗らないのは本末転倒なのではないだろうか。そもそもしっかりとメンテをして、場合によってはエンジンやミッション、デフなどのオーバーホールをしたり、車検でしっかりと手を入れていれば壊れることはほとんどない。車種にもよるが、基本的には普通に乗れて、車検と車検の間はオイル交換だけだったというのも普通にある。

 もちろん当時の技術が未熟だったり、品質が悪くて壊れやすいというのはあるかもしれないが、現代の技術で対策をしてみたりするのもいいし、最終的には調子を崩すのも愛嬌と割り切るのも必要。クーラーが付いていなかったり、ヒーターがあまり効かなかったりなどは、旧車の味として受け入れる寛容さも大切だ。それがイヤなら、新車に乗ったほうがいい。

保管方法にはこだわっておきたい

 ただ過保護というか、気を使ってやりたいのは保管方法だ。雨の日は乗らないと言い切るのはどうかと思うが、保管するのはできるだけ屋根付きガレージがいい。防錆性はどうしても甘いし、構造的に水抜けがよくなかったりするので、雨に打たれると錆びやすくなる。屋根が付いているなら直接雨が当たらないし、雨の日に乗って帰ってきたら、ザッとでいいので水分を拭き取ってやれば湿気の被害も抑えられる。

 しかし、みんなが屋根付きに保管できるとは限らないのも事実。露天にするなら、下がコンクリートやアスファルトのところにすること。これは実体験だが、土や砂利だと湿気が下から上がってきて、より錆びやすくなる。極端なことを言うと、土や砂利の駐車場に置くなら旧車は買わないほうがいいかもしれない。

ボディカバーは塗装の保護にも有効だ

 賛否あるボディカバーについては、最新の性能がいいものを選べばとくに問題ない。もちろん安いのはビニールっぽくて通気性も悪いが、水分は通さず、湿気だけ抜けるゴアテックスのものもあるほど。屋根がない分、ボディカバーを奮発してやりたい。また、ボディカバーは使っていると次第に紫外線でボロボロになってきて、もし使っていなかったらすべて塗装が受け止めていたと思うとゾッとする。その意味ではボディカバーは効果大だ。

 保管方法は気を使うにしても、あとは普通に使ってやればいい。クルマとして走って、止まって、曲がってこそ、旧車の楽しさは味わえる。床の間の飾りではないのだ。

※写真はすべてイメージです

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