走行距離は大切だけど失敗しない中古車選びのポイントとは
一向に勢力の衰えを見せない新型コロナウイルス。その影響もありパーソナルな移動手段であるクルマの売り上げは右肩上がりを記録しているという。その恩恵は新車だけでなく中古車も同様であり、市場が活性化したことで中古車価格が高騰。手軽なクルマを探すことが難しくなっているのが現状だ。そこで、コロナ禍に於いて「狙うべき中古車」について考察し、少ない予算でより良い中古車を買う方法を考えてみよう。
公共機関での移動よりも自家用車での移動は「感染リスク」が少ないことは周知の事実であり、感染の恐怖心からクルマ離れをしていた人たちがクルマを所有するようになった。そのため、新車だけでなく中古車市場でもタマ不足が発生し、人気モデルは驚くような価格で推移している。そうなると、新車や高年式車に手が出せない人々はどんなクルマを購入するべきなのだろうか……。
安かろう悪かろうでは銭食い虫にしかならず……
まず、知っておきたいのが中古車価格を決める条件だ。中古車として高値を付けるのは「高年式車」、「低走行車」、「人気車種」の3つであり、この条件を満たさない個体は価格が安くなる。要するに年式の古いクルマ、走行距離が多いクルマ、不人気車種は安い傾向にあり、手が出しやすいということになる。
しかし、不人気車種は別として、年式を経たクルマと走行距離の多いクルマは故障やトラブルのリスクが高くなり、購入後に高い修理代を支払うのであれば本末転倒だ。
一般的に乗用車は「1年1万km」の走行距離がひとつの目安となり、10年10万kmでクルマとしての評価がゼロになるのが定説だ。また10万kmを越えた車両は「過走行車」と呼ばれて避けられる傾向にあり、一般的な中古車として高い評価を得るのは5万kmまでが一般的で。それ以上の距離を走っている車両は価格を下げて販売されることが多い。これも日本人はキリの良い数字に弱く「5」や「10」のマジックなのだが、最近のクルマはキッチリと整備をしていれば、10万kmどころか20万kmを越えてもクルマとしての機能を保つことができる。日常的に整備が施されるタクシーなどは50万kmまで使われることも多く、20万kmを越えた車両などは当たり前のように存在するのだ。
さすがに10万km超の個体は過走行に分類されるのでリスクは高い
前述の通りだが、キリの良い数字に弱い日本人の思考として5万8000kmの走行距離と6万1000kmでは3000kmしか変わらないにも関わらず、中古車価格では大きな差になって現れる。それは消費者側が「5」のマジックに掛かっているだけで、実際には6万kmを越えた車両の方がお得ということでもある。そうなると、さらに価格の安い10万kmを越えた「過走行車」ということになるのだが、クルマの性能を保持するためには10万km前後で大きな出費が強いられることが多い。
もちろん個体差はあるもののオルタネータやラジエター、燃料ポンプ、エアコンのエバポレーター、コンプレッサー、ショックアブソーバー、ドライブシャフトのCVジョイント、ウインドウレギュレーターなど、一般的な消耗品とは違った高額な部分が寿命を迎える可能性を秘めている。