コロナ禍で披露できなかった力作が登場!
2月11日から13日の日程で開催されている大阪オートメッセ2022。日産京都自動車大学校は、このイベントに4台の車両を展示しました。そのなかでも多くの来場者から注目されていたのが、ラコスカと名付けられたハコスカ顔のコンパクトSUVです。気になるベース車は、日産が1994年から2000年まで販売していたラシーン。この車両はすでに卒業してしまったカスタマイズ課4期生の作品で、2021年に大阪オートメッセで披露される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により中止に……。今年、ようやく地元のショーでお披露目することができたとのこと。
ハコスカオーナーのセカンドカーがテーマ
この車両のコンセプトは「ハコスカオーナーのセカンドカー」。ハコスカを愛するオーナーの普段使いや、アウトドアの足として活躍する車両をイメージして製作したそうです。普段乗りでもハコスカ魂を忘れたくない、そんな人たちに刺さるように造ったため、細部にまでこだわったとのこと。そんなこだわりの甲斐あって、実際のハコスカオーナーから「これは販売してくれないの?」と聞かれることもあったとのこと。
ハコスカの顔を単純に移植しただけでなく、サイドのプレスラインやリヤフェンダーに走るラインなど、インパクトの大きなところだけでなく車体全体でハコスカを表現しているのが特徴。そんな特徴から、細部へのこだわりはハコスカのことをしっかりと知らなくても、ひと目見ただけで伝わってきます。
一部のパーツは本物のハコスカから型取り
ここまでハコスカらしさを体現することが可能となったのは、教材車として学内にハコスカがあったからだそうで、サイドのプレスラインなどは実際のハコスカから型を取って作成。細かなボディパーツは旧車の再生パーツを得意とするパーツメーカーから購入し、加工して装着したそう。そのなかでもこだわり抜いたというのが、ライト類の時代を統一するということ。生産された年式ごとに違いがあるハコスカですが、マニアやハコスカオーナーにも納得してもらえるように、ライト類を同じ年式に揃えたそうです。
また、この車両の面白いところは、本物のハコスカのパーツも使われているという点。そのなかでも自慢なのがフロントグリル。当初の予定では再生パーツを使用する予定だったのですが、協力してくれたパーツメーカーが「ここはぜひ本物を着けてほしい」との思いで、本物のグリルを安く提供してくださったと言います。多くの人はレプリカとの見分けはつかないかもしれないですが、マニアやハコスカオーナーからは「あ!本物のグリル着けてるじゃん!」と声をかけられるそうです。
もちろんカスタムカーならではの遊び心も忘れていない
細部へのこだわりから、マニアも納得の1台となったラコスカですが、学生らしい遊び心も忘れられていないのが面白いポイント。カスタマイズ課初の女性学生の提案により、ボンネットの裏側には花柄をペイント。ボディカラーは、どこか可愛げのある雰囲気を演出するクリーム色となっています。
ハコスカらしさとカスタマイズカーならではのコミカルな雰囲気が合わさったラコスカは、緩急のバランスがうまくなされている1台と言えます。