楽しい春のキャンプシーズンがもうすぐやってくる
まだまだ寒い日が続きますが、もう少しで待望の春がやってきます。朝夕の冷え込みが和らぎ、心地よい風が吹く春。春はお花見の季節でもあり、桜の開花はキャンプシーズンの開幕でもあるのです。ここでは、キャンプを楽しみながらお花見ができるオートキャンプ場をご紹介するとともに、お花見キャンプのマナーと守るべきことについて考えてみたいと思います。
開花日に合わせ予定を組んでいく
厳しい冬を耐え忍び、草花たちが一斉に芽吹く春。西から訪れる桜前線に合わせてキャンプ場を選べば、美しい桜を愛でながらの至極のひとときが楽しめるはず。お花見は日本が誇る伝統的なアウトドアであり、季節を感じる素晴らしき行事なのです。
日本人が愛する桜のなかでもっとも有名なのが「ソメイヨシノ」ですが、この桜は不思議な生い立ちを持ち、種ではなく継ぎ木や挿し木によって増殖されるクローン種。要するにすべてのソメイヨシノは同じDNAを持っているということであり、同じ環境で育ったソメイヨシノは開花に時間差がなく一斉に開花することで、見事な桜並木を作ると言われています。
ということは、時間差なく桜が咲いてしまうために、キャンプ場選びは開花日に合わせてピンポイントで選ばなければ一番の見所を逃してしまうことになるので注意しなければなりません。また、桜には早咲きの河津桜や開花と同時に葉が芽吹く山桜など、数多くの種類があるので品種や開花時期をしっかりとリサーチしてキャンプ場を選びましょう。
浮かれてもマナーとモラルは忘れずに
お花見は楽しいものですが、キャンプ場は多くの人が集うパブリックな場所だということを忘れないでください。お花見に「お酒」は欠かせないものですが、酔いがまわり過ぎて大きな声で騒ぐことやカラオケなどの行為はマナー違反。もちろん、枝を折ることや桜の木を独占するのは、マナー以前に人としてやってはいけないこと。
夜桜見物も楽しみのひとつですが、深夜にキャンプ場内を歩き回ることや、就寝時間を過ぎてもランタンを煌々と灯し続けるのも、慎むべき行為であることを覚えておきましょう。
そして、キャンプ泊とはいえ翌日に運転をする人は酒気帯び運転や飲酒運転にならぬよう自制することもお忘れなく。マナーとモラルを守るのは人として当たりまえですが、キャンプ場のローカルルールもしっかりと守り、お花見キャンプを楽しんでください。
毛虫など虫刺されにも対策を
最後にお花見キャンプでの注意点を……。ハラハラと散り桜の花びらは美しいものですが、テントやタープなどに挟まったまま収納してしまうと生地の変色や劣化の原因になるので、収納する前に花びらをしっかりと除去しておきましょう。
また、桜(とくにソメイヨシノ)は開花の後半になるとアメリカシロヒトリなどの毛虫が大量に発生することも多く、テントの中や衣服に付着した毛虫に刺されてしまうことも少なくありません。もしも刺されてしまったら患部を擦らずに粘着テープなどで毒針毛を除去し、炎症を抑えるために氷などで冷やしてからステロイドが入ったかゆみ止めを塗りましょう。症状がひどい場合には病院などの医療機関を受診してください。そのためにもお花見キャンプには「かゆみ止め」と「保険証」を用意しておくことをおすすめします。
全国のお花見が楽しめるオートキャンプ場10選
【九州地方】
■観音池公園オートキャンプ場
宮崎県都城市高城町石山4195
宮崎県屈指のお花見の名所として知られる観音池公園内には5000本もの桜が植えられ、桜の木の下でオートキャンプが楽しめる。料金はオートA(低床)、オートB(芝生)が3140円~。オートC(キャンピングカー)は4190円~。フリーサイトは1050円~となるがクルマの乗り入れができないので要注意。
https://miyakonojo-bonchi.com/kannonsakura/hotel/
【中国地方】
■竜王山公園オートキャンプ場
山口県山陽小野田市小野田梶ケ迫841
1万本もの桜が植えられた竜王山公園内にあるオートキャンプ場。子どもに人気の遊具やウッドデッキを備え、自然豊かな眺望も大きな見所。約100平米の芝生サイトと山側と海側のサイトを併設。2カ所のサテライトハウスにはトイレ、洗面所、共同炊事場、コイン式の温水シャワーや洗濯機・乾燥器を完備。
【四国地方】
■大池オートキャンプ場
香川県東かがわ市引田3066-1
瀬戸内海を一望できる見事な眺望を誇り、園内には数多くの桜が咲き誇る。オートキャンプサイトとフリーテントサイト、ログキャビンを備えた四国で人気のキャンプ場として知られ、レンタルのキャンプ道具も充実しているので初心者でも安心。オートキャンプサイトには電源を備え、使用料+1000円で使用することが可能。
【近畿地方】
■笠置キャンプ場
京都府相楽郡笠置町笠置佃46
国道165号線沿い、木津川の河川敷に広がる約3万坪の敷地の笠置キャンプ場。標高289mの笠置山は「日本のさくら名所100選」にも選ばれ、木津川沿いでは桜並木が楽しめる。クルマの乗り入れが可能で料金は大人(中学生以上)が一泊二日で1000円となり、予約をすることなく当日の受付で利用可能。
■リバーランズ角川
滋賀県高島市今津町角川622
全面区画なしのフリーサイトは自由なレイアウトが楽しめる。整備されたキャンプサイトにはクルマの乗り入れができるので便利。広場サイトには大きなしだれ桜が咲き、テントの中からお花見を楽しむことが可能。ほかにも林間サイト、草地サイト、湖畔サイトがあり、異なる環境でキャンプが満喫できるのでリピーターも多い。
https://www.riverruns-tunokawa.net
【甲信地方】
■青木湖キャンプ場&アドベンチャークラブ
長野県大町市平20780-1
「北アルプスの鏡」と称される青木湖西岸にあるオートキャンプ場。美しいカラマツの林とともに春にはオオヤマ桜が楽しめるお花見キャンプも大人気。7月から10月には併設されるボートハウスでカナディアンカヌーやカヤックも体験できる。キャンプ場にはバンガローやコテージも用意され気軽にアウトドアが楽しめる。
【関東地方】
■成田ゆめ牧場ファミリーオートキャンプ場
千葉県成田市名木730-3
都心からもアクセス便利な人気のオートキャンプ場。広大な敷地には電源を備えたサイトや桜の木の下にテントを張れるサイトも用意され、200名が利用できる常設のかまどスペースや炊事場、24時間利用可能なシャワー施設や貸し切り利用できるサウナも常設。レンタルも充実し「手ぶらでテント宿泊セット」は税込8000円。
https://www.yumebokujo.com/camp.html
■ケニーズ・ファミリー・ビレッジ
埼玉県飯能市上名栗3196
東京からクルマで約1時間。里山を利用したファミリー向けのオートキャンプ場は河原に桜が植えられ、春はキャンプとお花見を同時に楽しむことができる。トイレやシャワー室、炊事場はおしゃれで衛生的なのでママや子供たちも大満足。受付棟には売店やキャンプ道具のレンタルもありキャンプ初心者も安心だ。
【東北地方】
■会津美里町せせらぎ公園オートキャンプ場
福島県大沼郡会津美里町字家東甲4224-2
デイキャンプからロングステイまで、広々とした空間で自然が満喫できるオートキャンプ場。開園期間は4月1日から11月30日となるが、キャンプサイトには数多くの桜が植えられている春の狙い目のスポット。敷地内には8棟のモンゴルゲルが用意されているので、ほかのキャンプ場とはひと味違ったテント泊も楽しめる。
https://aizu-misato.jp/leisure/seseragi_autocamp/
■八塩オートキャンプ場
秋田県由利本荘市東由利田代字沢中41-6
秋田県の八塩いこいの森の中にある自然豊かなオートキャンプ場。ソメイヨシノが900本、八重桜が700本、黄桜が400本も植えられ、4月末から5月にかけて桜で彩られた森は大きな見所。電源付きサイトは3500円、電源なしサイトは2500円となり、ひと区画は4面までが宿泊可能。キャンプ用品のレンタルも充実。