オフロード性能とエコ性能、さらに給電性能まで揃った究極のSUV
およそ8年ぶりに新型となった「三菱アウトランダー」。筆者は以前から、アウトランダーこそ最強のSUVであると考えている。その理由は、三菱自慢の四輪駆動システム、ランエボ譲りの「S-AWC」によるオン/オフを問わない走行性能。そして悪路の走破性に加え、新型では唯一のパワートレインとなったPHEVに備わるAC100V/1500Wコンセントの装備にある(輸入SUVにはまずない装備)。
理由その1:悪路も悪天候も恐れない圧倒的な走破性
S-AWCによってどんなところにもたどり着けるし、AC100V/1500Wコンセントは車内外で1500Wまでの家電品が使え、アウトドアやキャンプはもちろん、災害時にも電源車や給電車として威力を発揮。空前のアウトドア&キャンプブームのなか、災害大国・地震大国の日本における、これ以上望めない頼りがいあるクルマと言っていいのである。災害時には、それこそアウトランダーの車内がマイ避難所にもなりうるのだ。
つまり、稀にある悪路の先にあるアウトドアフィールドに行くにしても、あるいはアウトドアやキャンプの際、天候が急変してもS-AWC+最低地上高200mmのアウトランダーであれば安心・安全そのもの。高級感あるダイヤル式ドライブモードセレクターはエコ、ノーマル、ターマック(ここまでが常用)、グラベル、スノー、マッドの7種類が用意される。ターマックでのスポーティな走りから、グラベル、スノー、マッドモードを用いた、アプローチアングル18.3度、デパーチャーアングル22.2度、ランプブレークオーバーアングル18.0度(20インチタイヤ/18インチタイヤ車は16.8度)による、高度な走破力に支えられたアウトドア・キャンプへのドライブが、精神的余裕さえもって、楽しめることになる。
理由その2:ただでさえ優秀な積載性がさらに進化
そして新型アウトランダーは荷物の積載性、車中泊性能もまた、優秀だ。PHEVのみとなった新型には、先代PHEVになかった7人乗り3列シート仕様をPグレード(標準)とGグレード(2列5人乗り/3列7人乗りの選択可)に用意。しかも、3列シートの7人乗りでも、3列目席をフラットに床下格納することができ、2列5人乗りと変わらないラゲッジスペースが備わっている。
具体的には全車、開口部地上高780mm、開口部幅1150mm、開口部高790mm、フロア奥行き970mm、フロア幅980~1070mm、天井高980mmと十二分。容量としては、先代の463Lから469L(VDA測定方式)に拡大しているのだ。PHEVゆえに床下に電装品が収まっているため、床下収納はないに等しいが、フロア部分だけでもアウトドアやキャンプの荷物を積載するにはまったく問題ないはずだ。
理由その3:コンセントも備え快適な車中泊が可能
では、車中泊性能はどうか。すでに3列目席を格納するとフラットな、2列5人乗り仕様とまったく変わらないラゲッジスペースが出現すると報告した。3列目席格納状態で、フロア奥行きは最大1120mmまでフラットに拡大(2列目席スライド位置による)できる。さらに2列目席まで格納すれば、さすがに2列目席部分には多少の段差ができてしまうものの、それをマットレスなどでフラット化すれば、身長172cmの筆者はもちろん、175cmの人でも真っすぐに足を伸ばして横になれるベッドスペースが出現。室内高の余裕もあるから、閉鎖感ほぼなしの車中泊が可能になるのである。
当然、すでに説明したAC100V/1500Wコンセントもあるから、車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジ、ホットプレート、湯沸かしポット、照明などを使うこともできるから快適すぎる。筆者なら、寒い夜はクルマの暖房に頼らずに済む、蓄熱式コードレス湯たんぽを使う。約20分の充電で、毛布などに包めば室温15度で最大8時間、ホカホカを保ってくれるのだ。その充電も車内でできるのだから、やはりAC100V/1500Wコンセントの威力は絶大と言っていい。