シビックタイプR(プロトタイプ)もサプライズで登場
参加ドライバー/ライダーがスタンド前に整列してのオープニングセレモニーに続いてはCIVIC Battleが行われました。2台のシビック・ハッチバックで模擬レースを行うものでしたが、野尻智樹選手と塚越広大選手がスタートし、3周を走り終えるとピットに戻ってガレージイン。
そこから走って隣接するピットガレージのシャッターを開けるとカモフラージュカラーにラッピングされた、シビックタイプR(プロトタイプ)に乗る山本尚貴選手と伊沢拓也選手がスタートしていくというサプライズとなっていました。
シビックタイプR(プロトタイプ)は1月に行われた東京オートサロンでお披露目されていましたが、走行シーンが公開されるのはこれが初めて。しかも2台が模擬レースよろしくドッグファイトを演じ、スタンドのファンからは大きな拍手が巻き起こっていました。
Hondaの新たなモータースポーツ施策と電動化をアピール
CIVIC Battleに続いてはN-ONE OWNER’S CUP Specialが行われました。Hondaがモータースポーツを支援するグラスルーツ活動のひとつとなっているのが、このナンバー付きのN-ONEによるワンメイクレース。こちらもチーム対抗イベントとされ笹原右京、松下信治、大津弘樹の3選手がTeam Red、福住仁嶺、大湯都史樹、塚越広大の3選手がTeam Blueとして参加。
両チームから1台ずつが選ばれての準決勝と、ここで勝ち上がったドライバー3人による決勝と、2ステージ制で行われましたが、ストレートエンドで頑張りすぎて1コーナーでオーバーランするシーンもあり、こちらもスタンドからは大きな拍手が巻き起こっていました。これに続いてはHRS-Moto CupとHRS-Formula Cupがスタート。
これまで鈴鹿サーキット・レーシング・スクール(SRS)と呼ばれていましたが、今年からホンダ・レーシングスクール(HRS)と名前を変更。卒業生のステップアップ先となる育成カテゴリーの拡充を図るとともに、二輪・四輪それぞれでのカテゴリー間連携を強化することで、各カテゴリーにおける育成の質を高めいくことが発表されていました。今回のトップライダー、トップドライバーによる模擬レースで大きなパブリシティ効果が出たものと思われます。またこちらもチーム対抗種目でした。
Hondaの契約ライダーや契約ドライバーが愛機を駆ってデモンストレーションランを行うHonda Rider’s Show RunとSUPER FORMULA Show Runを挟んで、14時50分からはe:Bike Cupが行われました。これは原付二種の電動スクーター、Honda PCX ELECTRICを使った模擬レース。
ロードレースを戦うライダーだけでなく、モトクロスやトライアルを戦うライダーもいて、コースサイドのグリーンやグラベルを走り回るシーンも見られ、スタンドからは拍手が巻き起こっていました。こちらも電動化を進めるHondaの姿勢をアピールした格好です。
新型NSX-GTの走行でフィナーレに
そのe:Bike Cupに続いてはSUPER GT Show Runです。国内で屈指の人気を誇るS-GTですが、2021年~2022年のシーズンオフには空力開発の凍結が解除されました。HondaもベースモデルをベーシックなNSXからType Sをベースとした新型車両を投入することが発表されていましたが、新型車両5台が勢ぞろいしたのはこれが初めてでした。
SFのShow Runなどと同様に、こちらも模擬レースではなくデモンストレーションランでしたが、チームとしては数少ない走行とあって、ニューマシンのセットアップなども含めて念入りに走行を続けていました。
そして最後は参加したドライバーやライダーが全員、グランドスタンド前に整列してのフィナーレ。S-GTやSFの4輪からMoto GP、あるいはJSB1000などの全日本ロードレース参戦バイクなどさまざまなマシンも一緒に整列し、Hondaサウンドを響かせながらのエンディングとなりました。
メーカーのファン感謝イベントの中でHondaのそれは4輪だけでなく2輪関連のコンテンツも用意されているのが大きな特徴です。ファンには十分楽しめた1日となったのはもちろんですが、4輪のチームスタッフが2輪のMoto GPマシンを観察したり、2輪のライダーがSFをじっと眺めていたり、と参加したドライバーやライダー、チーム関係者にとっても充実した1日となったのは間違いありません。
海外組が顔を見せることができなかったのは残念な限りでしたが、次のオフに予定されている「Honda Racing THANKS DAY 2022」こそ皆が笑顔で集まれることを期待しています。