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「春」はOK! 「夏」は意外に厳しい! 初心者のキャンプデビュー「正解」はいつ?

キャンプのイメージ

四季折々の魅力があるがどこから始めるべきか……

 もう少しで寒い冬も終わり、待望の春がやってきます。そんな新たなシーズンの始まりとして「キャンプに挑戦してみよう!」と思っている人も多いのはないでしょうか? 最近ではコロナの影響もあり、密にならないアウトドアが注目されていますが、初心者にとって「どの時期から始めるべきか」という素朴な疑問を解決するため、今回はキャンプを始めるべきベストシーズンを考えてみたいと思います。

 日本には豊かな四季があり、春夏秋冬を問わず美しい風景を楽しむことができます。しかし、キャンプとなると話は別。雑誌の記事やイメージで考えるキャンプは経験者だからこそ楽しめるものが多く、初心者が過酷な季節に挑戦すると痛い目に合うことも少なくありません。初心者にとってキャンプを始めるべき最適な季節を選ぶには、「消去法」で考えることがもっとも有効になることを覚えておきましょう。

春:気候的には穏やかでも花粉症の人は注意

 新生活が始まる春。寒い冬が終わりを告げ、草花が芽吹き始める3月から5月はもっとも過ごしやすい季節でもあり、キャンプを始めるにはおすすめのシーズンになります。

 ただし、注意してほしいのは、現代人に多い「花粉症」を患っている人は、自分が免疫反応を起こす花粉をしっかりと把握しておくこと。キャンプ地の近くにスギやヒノキ林など、アレルゲンの元になる植物が生えていないことを確認しましょう。

梅雨:テント外のアクティビティを楽しめず不向き

 6月は梅雨シーズンを迎えることもあり、初心者キャンプには不向きの季節。ジメジメと降りしきる雨のなか、テントから出ることなく過ごす時間に苦痛を感じることでしょう。自由に活動することができず、楽しみにしていたBBQもできない雨のキャンプは初心者に向いている季節とはいえません。また、北海道のように梅雨のない地域を選ぶことで問題は解決しそうですが、最近の異常気象の影響もあり、北海道も6月は雨が多いので注意してください。

夏:暑さをしのげる高原や山上湖畔を選ぶべし

 梅雨が明け、夏の到来を告げる7月。猛暑・酷暑を迎える前のわずかな数日間だけがピンスポットでキャンプが楽しめるシーズンになります。8月に入ってしまうと気温がグングンと上昇し、日射病、熱中症、脱水症状、そして日焼けなどに悩まされることに……。

 夏は「海水浴=キャンプ=夏休み」というイメージがありますが、キャンプと海水浴は別に楽しむものと考えたほうがベター。夏にキャンプを楽しむのであれば、避暑地と呼ばれる標高の高い高原や山上湖畔を選び、日陰の多い林や森のある場所を選ぶのがポイント。しかし、森や林の多い場所は虫も多く、防虫対策をしっかりと行うことも必要になります。

秋:気候も落ち着き食材も増えるが台風に注意

 猛暑が終わり、風が涼しく感じ始める9月から本格的な秋を迎える10月。キャンプの大敵である蚊やブユなどがいなくなり、紅葉が楽しめる季節はキャンプを楽しむには最高のシーズンになります。キノコや果物、魚などの美味しい食材が増える季節ですから、バーベキューもより楽しいものになるはず。

 夜になれお月見も楽しめるのも秋の魅力のひとつでもあります。夏に辟易した紫外線も和らぎ、冬ほどの防寒対策も必要のない秋は過ごしやすい季節ではありますが、忘れてはならない大きな問題が「台風」。近頃は台風の発生数、日本への上陸数が増えていることもあり、秋のキャンプを計画する場合には天気予報をしっかりと確認することをお忘れなく。

冬:上級者でも過酷なだけに避けたほうがベター

 日に日に気温は下がり、本格的な冬を迎える11月後半から翌年の2月は年間を通してもっとも過酷な季節です。しかし、済み渡った空気は星空を美しく眺めることができ、焚火の暖が楽しめるシーズンでもあります。厳しさと対峙するスキルや知識、十分な防寒対策を備えていればキャンプは楽しいものになりますが、この時期に初キャンプを行うには、もっともおすすめできない季節といえるでしょう。

 極寒でのキャンプは思った以上にリスクが高く、最悪の場合には命の危険さえあるのです。もし、初心者が冬キャンプに挑戦するのであれば、比較的温暖な太平洋側のキャンプ場を選び、しっかりとした防寒対策を行ってください。

まとめ:春・夏前・秋が初心者向け!

 これからキャンプを始める人にとって最適なシーズンを消去法で考えると、「春」と「梅雨明けから夏前」、そして「秋」ということになります。最適なシーズンで楽しさと経験を積むことで、年間を通してキャンプが楽しめるようになるはずです。

 キャンプ初心者と上級者の違いは使っているキャンプ道具の差ではありません。道具を十分に使いこなせるスキルを持ち、困ったときに正しく対処できる「経験値」が大きくモノを言うのです。

 また、経験者の多くは天気、気温、キャンプ地の特性をしっかりと把握し、自然からのメッセージを受け取る感覚が養われていることです。川の水が急に濁り始めたら増水の危険を感じて避難する、西の空に厚い雲を見つければ雨具の用意をする。また、冬の晴天は翌朝の冷え込み(放射冷却)を予想して毛布を一枚多く用意するなど、五感を研ぎ澄ませた察知能力の鋭さの違いこそが初心者との差なのです。これからキャンプを始めようと考えているのならベストなシーズンを迎える春に向けて、準備を始めましょう。

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