軽量化カスタム04:給油するガソリンの積載量調整
もうひとつ重量に大きく影響するのはガソリンだ。レースでは決勝の周回数を走り切るだけの量、予選はさらに少なくするのが常識といっていい。ガソリン1Lの重さが約75gだとすると、40Lと15Lでは20kg近い差になってしまう。
燃料タンクが偏ってガス欠の症状が出ないようにする配慮は必要だが、これほどの重量をほかの方法で削るのは至難の業というしかない。自分のクルマがどれほどの残量でガス欠の症状を起こすか、そして全開で走ったときの燃費はどれくらいかを把握していれば、これほど手軽で大幅に重量を削れるメニューはないはずだ。
軽量化カスタム05:エアコンなど禁断の快適装備取り外し
最後はサーキット専用のマシンにしか薦められないけど、究極の手段でエアコンやヒーターなど快適装備の取り外し。単純な重さだけじゃなくフロントタイヤの前方、つまりオーバーハングと呼ばれる部分に位置し、そこの軽量化はハンドリングにも影響を及ぼす。ただしサーキットとはいえエアコンが使えないのはリスクもあり、寒い冬にヒーターがなければ休憩中に車内で暖も取れないので注意しよう。
ちなみに絶対にNGなのは安全に影響のある部分を軽量化することで、具体例を挙げればフロントバンパー内にあるレインフォースや、側面からの衝突に際しドライバーを保護するサイドドアビームなど。だいぶ昔の話だが、軽量化を意識しすぎてブレーキペダルを削ったドラッグ仕様のクルマが、400mを走り切ってからのスピード域でフルブレーキングしたらペダルが折れてしまい、ドライバーの生命こそ無事だったものの車両は原型を留めないほどの事故を見たことがある。
以上のようにタダでできる軽量化は多くあり、得られる効果が大きいことも確かな事実だ。副作用ともいえるリスクや安全に影響のない場所、削ったら危険な場所を把握したうえで楽しんでほしい。