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曇りの日の夕方に来店! まずは遠くから眺める! 旧車購入に重要な「謎基準」の意味とは

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

旧車との付き合いは「介護」! お年寄りと恋愛する覚悟が必要

 昨今のブームで旧車がもてはやされている。今のクルマにはない自由度の高い個性的なデザインに惚れたとか、若いころに憧れたクルマだったとか、アニメや映画で見て憧れたなど購入したいと思う理由はさまざざまだが、安易に手を出すと必ず後悔する。なぜなら、旧車との付き合いの基本は「介護」。「お年寄りと恋愛する」ような覚悟がないなら手を出すべきではない。

パッと見はキレイでも摩耗や経年劣化は確実に進行している

 人間と違ってパッと見は若々しさを保つことは可能だが、中身は摩耗していたり、経年劣化は確実に進んでおり、ほとんどのクルマは疲労が蓄積している(とくに厄介なのは見えない電装系)。そりゃあ、そうだろう。生まれてから30年、40年と経過すれば人間でも痛みが出てくるのと同じだ。三菱FTO

 ただし、人間と違ってクルマは入念に整備すればある程度機能を回復できる。しかしながら、一部の人気車を除けば数十年前の部品を探すのは至難の業で、旧車ブームのため、どれも高く、思った以上にお金(治療費)がかかる。

 憧れたアイドル、芸能人なので念入りなメンテナンスで、見た目は昔と変わらず美しいかもしれないが、加齢は隠しきれないもの。すっぴんは年齢相応だったり、付き合ったら思った以上にわがままで、しかも病気がちだったとしても、「アバタもエクボ」とおおらかな気持ちで愛し続けるような度量がいる。旧車との付き合いもまさにそれで、青春時代の思い出や憧れを汚したくないのであれば無理に現実を知る必要はないのだ。ホンダS600

 それでも旧車と添い遂げたい。買ったあとも絶対に後悔しないという強者に向けて、今回旧車を買うためのポイントを整理してみた。

実車を見て舞い上がらず複数台を確認して見る目を養うべき

 まずは優先すべきは「買うのを焦らず」欲しいクルマを何台か見比べることだ(最低5台程度)。基本はクルマの程度と値段は比例するのだが、昨今の旧車人気に便乗して、外観だけ取り合えずキレイに仕立て高値で販売する悪徳業者もあるので値段はあまりあてにならない。とくに実車を見ることなく買うのは絶対NGだ。クルマを購入するときは隅々までチェックする

 超絶レアなクルマであれば、市場にめったに出てこないので即断しなくてはならないが、人気車種ならば中古車情報誌などを見れば何台か見つかるもの(それでも旧車人気でタマは少ないが)。旧車は買ってから直すのは思った以上に大変なので、とにかくまずは見る目を養う必要がある。

 中古車は生き物であり、長い時間が経過していれば、オーナーのメンテナンス具合や置かれてきた環境などで、コンディションは1台1台異なる。それが何台も見ていくうちにクルマの違い、良し悪しなどがわかってくるはず。もちろん、「あのクルマが良かった」と思って、買いに戻ったら売れていたこともあるかもしれないが、中古車の出会いは一期一会、そのクルマとは縁がなかったと割り切る余裕も必要だ。

車両確認は曇りか夕方がベスト! 開けられる部分はすべて開けてチェックが鉄則

 肝心のチェックポイントだが、まず車両のチェックは晴天や昼の時間帯は避けよう。日の光が強いとボディの凹みや歪みがわかりづらい。できれば、曇りの日、それが無理なら日の光が弱まった夕方がいい。日産バイオレット

 中古車店に到着し、クルマと対面したらまずは遠くからクルマ全体のスタイルを眺め、各パネルの色の違いやクリアランスが整っているかを確認する。また、抽象的で申し訳ないが、全体の佇まいがしっかりしていると感じられるかも重要。何台か見ていれば、ダメなものはなんとなく違和感(バランスの悪さ、塗装の仕上がりの良し悪しなど)がある。

 ボディのサビも気になるポイント。数十年も前のクルマだからサビがひとつもないということはありえないが、ボンネット/ドア/トランクなど開けられるところはすべて開けて確認。さらにはお店のスタッフに断りを入れてフロア、トランクなどのカーペットの下まで見ておこう。旧車の場合は思わぬところにサビが広がっていたり、フロアの下が濡れていたり、純正工具などパーツが欠品していることはよくある。思わぬところに錆がある可能性がある

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