今のクルマには必要がないダブルクラッチという操作も必要
ちなみに、往年のチンクエチェントは、ノンシンクロのマニュアルトランスミッションなので、停止時に1速に入れるときだけでなく、2、3、4速にシフトチェンジする際もダブルクラッチ(クラッチペダルを踏んでギヤをニュートラルにし、アクセルを踏んでエンジンの回転を上げてから、ふたたびクラッチペダルを踏んでギヤを入れる動作)を駆使し、うまく乗りこなしてほしい。
また、わがアルファロメオGT1600ジュニアはペダルの配置も独特で、アクセルが吊り下げ式で、ブレーキとクラッチがオルガン式ペダルだ。オルガン式のブレーキペダルとクラッチペダルは、踏み慣れないとクラッチを踏む左足の踵の置き方(動かし方)が難しく、右足がアクセルとブレーキの間を行き来する際に少し気持ち悪い思いをするので、ビギナーは注意してほしい。
そして、この話はおもに1980年までに生産されたクルマのことだと思っていただきたいが、旧車はパワーステアリングを装備していないので、ハンドルが重い。小径だと回せないのでハンドルが大径なのだ。
ウッドステアリングのクルマを運転する際に革の手袋をハメている人をたまに見かけるが、あれはファッションというよりも汗でハンドルを握る手が滑るのを防止しているのだといえる。革の手袋をカッコつけるためではなく、安全性を向上させるためにハメている人も存在するということなので、街で見かけてもイタいヤツだと思わないでいただきたい。