就職後に貯めたお金を頭金にして5年の残クレローン
海翔さんがチョイスしたのは1t切りの「S」グレード。パワーがなくても、車体を軽くするというピュアなライトウェイトスポーツらしさが気に入ったポイントだ。ちょうどこの時点で、ホイールとブレーキをさらに軽量化した「990S」も登場していたが、足まわりはあとから自分でカスタマイズする余地を残しておくことにした。
契約してからは休みのたびにディーラーに足を運び、アクセサリーパーツを研究。担当者さんが自身の「RF」に装着していた「オートエグゼ(AutoExe)」のリヤスポイラーに惚れて、純正アクセサリーパーツとオートエグゼ製パーツを次々に追加。
そして1月30日にめでたく納車となった。ロードスターSの車両本体価格は262万3500円ながら、オプションてんこ盛りで総額は350万円近くになっている。海翔さんが働きはじめて1年半ほどで貯めた資金を頭金にして、残りは5年の残価設定ローン。実家住まいは大きなアドバンテージであるが、それにしても思いきった、男前な買い物である。
ちなみにこのタイミングで納車された「S」にも、ロードスターが採用したばかりの車両姿勢安定化制御技術「KPC」が搭載されていたのは嬉しいところだ。
「オートエグゼ」パーツ満載、この先もカスタム予定
さて、海翔さんの手元に来た時点でロードスターSに装備されているオプションパーツをかいつまんでご紹介しよう。
まずマツダ純正オプションとしては、エンジン音をより感じられる「インダクションサウンドエンハンサー」、MT乗りの気分をアゲるアルミペダルセット、それにボディ同色のキーシェルなど。
オートエグゼ製パーツは、何と言ってもお気に入りのリヤウイング(ハイマウントストップランプ付き/MND2600)とフロントアンダースポイラー(MND2150)をピアノブラックで塗装して装着し、全体のシルエットをイメージアップ。
さらにカーボン調のドアハンドル・プロテクターやヘリカルショートアンテナ、フューエルリッドカバーなどを奢るとともに、ウインカーバルブを透明のものに変えるといったディテールへのこだわりも。エンジンルーム内もバッテリークランプと各種キャップをオートエグゼ製にしている気合の入りようだ。
これからもカスタムしていく構想があふれて止まらない。フロントグリルに赤いストライプを入れたり、ヘッドカバーなどを赤い結晶塗装にするといったディテールアップから、フルカーボンのボンネット、HKSの車高調、ホイールを15インチにダウン、吸排気をオートエグゼで統一、MOMOの脱着式ステアリング、レカロのフルバケなどなど……。
「見た目はゴリゴリにしないで、車高もそれほど落とさず、純正の佇まいを残したまま“ロードスターってこんなにシブいんだ”って思ってもらえるようにしたいですね。最終的には、RE雨宮さんに3ローターを入れてもらうのが夢です」
そう語ってくれた海翔さんは、納車から半月ですでに走行距離2000km。春になったら聖地・広島までロードスターでドライブしたいと語ってくれた。
たとえ旧車好きであっても、人生一度は新車で乗っておきたい、または乗っておくべきクルマというのは存在する。20歳の若者がロードスターを買うことになったのはその点じつにベストチョイスだと思えるし、ついつい、「運命」なるものの存在をも感じてしまうのだった。