インチアップをするとバネ下が重くなる
一方、インチアップをするとバネ下重量は確実に重くなると考えていい。F1でも18インチタイヤが導入されることに対して、「グリップ面でいいことではない。ホイールが大きくなるとグリップが低下するし、重量が大幅に増える。だからパフォーマンス面でいいことはないと考えられる」と、メルセデスAMGやフェラーリチームのテクニカルディレクターがコメントしている。
にもかかわらず、なぜF1が18インチ化するのだろうか? その理由は、まず13インチでは軽自動車でも履かないようなサイズなので、タイヤのイメージアップ、宣伝効果が低いため。また近年のF1マシンはあまりにも速くなりすぎたので、速度を抑える方向にしていきたいという思惑もある。車体のレギュレーション変更やタイヤサイズ、最低重量の増加、燃料などの変更により、今年のマシンは昨シーズンよりラップタイムが1秒遅くなると言われている。
そのため、18インチ化でパフォーマンスがダウンしても問題ないわけだ。ハコ車の場合でも、ブレーキのローター径などを大きくしない限り、インチアップはパフォーマンスアップのメリットが乏しく、ドレスアップ、ルックス的効果がメインというのが現実だ。繰り返しになるが、バネ下重量は軽いに越したことはない。