車中泊が得意なセダン03:VWパサート(B8型)
一方、輸入セダンにもトランクスルー付きのセダンがある。例えばVWパサートだ。パサートはヨーロッパのタクシーで使われる定番車。そのトランク容量の大きさ(※クラス最大級の約586L/ISO計測法)から、空港待ちで旅行者数名分のキャリーケースを積み込むなど余裕中の余裕。ヨーロッパに出掛け、空港、または帰路でホテルのタクシー乗り場でパサートのタクシーに遭遇すると、なんだか頼もしく思えるのも本当だ。
しかも、パサートセダンの後席は、6:4分割(※パサートヴァリアントは4:2:4分割)で後席を倒すことができ、その状態では驚愕の1152Lものトランクスルー空間が出現。スルー空間のフロアをベッドに見立て、大人が横になることだって可能なのだから使い勝手抜群である。
車中泊が得意なセダン04:BMW 3シリーズ(E90型)
また、BMWの第5世代3シリーズのE90型からボディサイズが一気に拡大し、後席が格段に広くなった。比較的コンパクトな部類とされるミドルサイズセダンでも、トランクスルー機能が付いていて、このクラスにしてトランクと後席部分をつなぐ約180cmものベッド(!?)スペースを出現させることができる(※実際に真っすぐ横になって寝たことあり)。
とはいえ、後席部分が枕元として、足をトランクのなかに入れるのだから、カプセルホテルよりさらに窮屈で足の置き場が制限される就寝スタイルになることは間違いない。マットレスがないと快適に眠れるはずもない。
セダンのトランクスルー機能は、あくまで、荷物の積載性を高めるためのアレンジとして理解し、使うのが正解だ。筆者のレガシイB4での体験のように、緊急時にのみ横になれるアレンジだと思ってほしい。もちろん、それができる、できないでは、いざというときに大きな違いをもたらしてくれることは間違いない。