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ほぼアクセルのオンオフだけで走れる「ワンペダルドライブ」に賛否両論! それでも高齢者が「乗るべき」理由とは

e-Pedal

違和感が不評か!? それでもワンペダルドライブを推したい理由とは

 ハイブリッド車(HV)を含め、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)など、モーター駆動を用いるクルマでのアクセルペダルだけで加減速ができ、停車まで行えるいわゆるワンペダル操作には賛否両論がある。しかし、残念なのは否定的な意見を述べる多くの場合が、アクセルペダルの操作が急すぎる傾向にあること。

 エンジン車のマニュアルシフトでの運転操作を振り返ると、発進・加速して変速する際、アクセルペダルから素早く右足を離し、クラッチペダルを左足で踏んで変速操作を行う。このやり方が自動変速となっても抜けず、同じようにアクセルペダルから素早く右足を離して加減速している運転者が多いようだ。

日ごろからアクセルワークを意識していれば違和感がないのだが……

 しかし、たとえエンジン車であろうと、速度調整はアクセルペダルを細やかに操作し、ブレーキペダルを使う場合は速度を急激に落としたい場合や停車する際などのかなりの減速を必要とする場合にと、使い分けているはず。ところが公道では頻繁にブレーキランプが点灯するクルマが多い。理由はアクセル操作がオン・オフのスイッチ的であり、加速はアクセル、減速はブレーキという切り替え操作となっている可能性を示している。

 同じ運転操作を電動車両で行えば、アクセルペダルから右足をいきなり離してしまえば回生が強く効き、強いエンジンブレーキがかかったような動きになってしまう。一方、細かなペダル操作で速度調整ができている人は、エンジン車であろうと電動車両であろうと滑らかな加減速ができ、このことは同乗者にもクルマ酔いなどを起こさせにくい運転になる。

 モーター駆動のある電動車両であればこそ回生を有効活用し、回生による発電によってバッテリーに電力を蓄える量が増えれば、燃費向上につながる。エンジン車でも、速度の上下が大きくなるスイッチ操作的な運転ではなく、アクセルペダルの細やかな操作で速度調整できていれば、燃費は改善するはずだ。

ペダルから足を離すだけで減速できる利点はやはり大きい

 さらに、回生を使う減速は、急にペダルを戻せば強い減速が直ちに機能するので、万一の際の衝突安全にも役立つ。アクセルペダルからブレーキペダルへの踏み替えは0.7秒かかるとされるが、ペダル踏み損ないがあれば1秒近くかかる可能性がある。その間もクルマは前進し続けてしまう。ところが、アクセルペダルを戻しただけで強い減速が働けば、その分、停止距離を短くできる。つまり衝突の危険性を下げることができるのである。

 したがって、モーター駆動のあるクルマであれば、回生を活かしたワンペダル操作を積極活用すべきだ。日産によればワンペダル操作を行うことでペダルの踏み替えを7割減らせるという。上手にできるようになれば、もっと減らせる人がいるかもしれない。また、ペダル踏み替えのために足を持ち上げようと構える姿勢や、心構えの機会がワンペダル操作によって減る分、疲れにくくなり安心も高まる。

旧型のプリウスでも回生が効く「B」レンジ使えば安全&安心

 私は、13年も前のプリウスに乗っているが、その時代はまだワンペダルという言葉さえなかった。しかし高齢になり、万一の判断の遅れや操作の遅れが気掛かりで、とくに市街地での運転では「D」ではなく「B」レンジを選んで運転している。それによって、停止まではできないまでも、通常の走行ではワンペダル的な運転ができる。Bレンジでは回生が強まるからだ。しかも、頻繁に回生を利用することでニッケル水素バッテリーへの充電量が増え、オンボードコンピュータ上の燃費も向上した。

 同乗者にも快適で、高齢者の運転にも安心をもたらし、なおかつ燃費を改善できる回生を活かしたワンペダル操作は、もっと認知されるべきであり積極利用する利点は多い。身に沁みついた運転をよしとするのではなく、よりよい運転を目指し、ワンペダル操作を身に着けることは運転の喜びさえもたらす快適運転術だ。

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