アイドリングで5速発進できた極太トルクの猛者
「三菱GTO(Z15A・Z16A型)」
そしてトルクといえば三菱GTO。1990年に登場したGTOには3L V6ツインターボの6G72が搭載された。このエンジンのトルクは43.5kg-f・mと圧倒的で、GT-RのRB26DETTの36.0 kg-f・mと比べてもかなりのアドバンテージだった。
なんとアイドリングのまま5速でスルスルと発進することもできたぐらいで、トルク感ではナンバーワン。エンジン単体としては優秀だったはず。新車試乗時(広報車)に「間違いなく280馬力以上でている」と実感した一台だ。
チューニングエンジンとしても大活躍
「トヨタ・スープラ(JZA80型)」
1993年の登場で280馬力軍団のなかでは後発モデルだったJZA80スープラに搭載されたのは、3L直6ツインターボの2JZ-GTEエンジン。特徴はシーケンシャルツインターボ(トヨタ流にいえば2ウェイツインターボ)を採用したこと。トヨタらしくボア×ストロークが86.0×86.0mmのスクエアタイプで、トルクは前期で44.0kg-f・m、VVT-i化されたものは46.0kg-f・mを発生させた。
GT-RのRB26DETTほど高回転まで回らなかったが、鋳鉄ブロックでタフネスさはRB以上とも言われ、最高速仕様やゼロヨン仕様のチューニングで高く評価された。
V12に匹敵する滑らかさが官能的だった
「ユーノス・コスモ(JC型)」
最後は1990年誕生のユーノスコスモ。コスモのエンジンは、量産車初の3ローターのロータリーエンジンである20B-REWを採用する。「V型12気筒エンジン並の滑らかさを持つ」というのが、この3ローターの20Bのセールスポイントだったが、燃費の悪さも天下一品。リッター2~3kmしか走らないたい大食漢だった!
その代わりパワー&トルクも飛び抜けていて、280馬力&41kg-f・mというカタログ値を上まわるダッシュ力をみせた。ターボはシーケンシャルツインターボで、当時のMT用クラッチではパワーに負けてしまうとして、全グレード4速ATになったという逸話があるであった。