クルマいじりに縁のない人にとっては難しすぎるカスタム用語
クルマのカスタムの世界では、独自の専門用語が飛び交っている。日常生活ではまったく触れることの無い用語も多いので、初耳のユーザーには何のことだかわからないケースも多い。もっと深くカスタムを楽しむには、カスタム関連の用語の理解も大切だ。専門用語を使いこなすしてツウを気取るのもいいだろうし、またカスタム仲間との会話も盛り上がるので、基本的な用語は憶えておきたいところ。そこで今回は、カスタム業界で使われる専門用語のいくつかをピックアップして紹介していくこととした。
その1:「USDM」
まずは一般的なクルマユーザーには知られていないであろう「USDM」から。USDMとは、“United States Domestic Market”を略した用語で、おもにアメリカ(北米)で販売されているクルマのことを指している。
しかしカスタムの世界でUSDMといえば、日本車の北米仕様を意味している場合が多い。北米の法規に合わせた仕様や輸出仕様のパーツ取り付けといったモディファイも、広い意味でUSDMと呼ぶ。マーカーやレンズ類、車名のエンブレムの交換から始まって、輸出仕様に限りなく近づけることも多い。そのカスタム手法は多種多様で、パーツのラインアップも膨大だ。古くからUSパーツを輸入して、同型の国内仕様(日本車)に取り付け、あたかも北米仕様のようにして乗っていたユーザーがいたが、それがどんどん高じてひとつのジャンルとして確立されたのだ。
その2:「JDM」
同様にカテゴリーの名称として使われているのが「JDM」だ。こちらは“Japan Domestic Market”の略称だ。北米で売っている日本車をUS仕様ではなく本国の「日本仕様」に近づけることをJDMと呼ぶ。日本的な走り屋風のモディファイなど、日本独自のクルマ文化を取り入れた仕様がアメリカのユーザーの間でもてはやされたのがルーツ。
SEMAショーなどでも街道レーサー的な日本のやんちゃ仕様が展示されるのはそんな背景からだ。日本ブランドのパーツの組み込みや和風のステッカーチューンなどもカスタム要素になっている。さらにその仕様を日本のユーザーが逆輸入してカスタムする場合にもJDMと呼ぶようになってるのだ。
その3:「鬼キャン」
カスタムでは避けては通れない足まりのカスタムでも専門用語は数多い。なかでも「鬼キャン」はかなり使用頻度の高いカスタム用語のひとつだろう。クルマの足まわりは正面から見たときのタイヤの傾きをキャンバーと言い、これが下に向かって開いている(ハの字形状)状態(セッティング)をネガティブキャンバー(ネガキャン)と呼ぶ。
コーナーリングでの安定性などを狙ってレーシングカーなどが採用していたセッティングで、カスタムカーでも盛んに用いられる。このキャンバー角を思いっきり強くしたものを鬼キャンと呼ぶ。シャコタンとセットで足まわりのカスタムとして取り入れるユーザーも多い。
その4:「1ピース/2ピース/3ピース」
さらに足まわりのパーツで注目なのはホイールだろう。独自の用語が多いので最適サイズと好みのパーツを選ぶ際には、用語を知っておく必要があるのだ。その代表的な用語が「1ピース/2ピース/3ピース」だろう。1ピースはその名の通り、リムからディスクまでのすべてをひとつのパーツで作る構造。強度的にもコスト的にも優れているのが特徴だ。
対して2ピース/3ピースは組み立てホイールとも呼ばれ、別パーツで作られたリム&ディスクを組み立てて、ひとつのホイールにしているモデルを指す。2ピースはリムとアウターリム/ディスクの構造、3ピースはアウターリム/ディスク/インナーリムの3つのパーツに分かれている。メリットは細かなセッティングが可能で、インセットの設定幅が持たせられる点。またデザイン的にもリム/ディスクを別々に作ることができるので、1ピース構造では難しい手の込んだデザインも可能になるのだ。