特殊武器からの防護、生物剤などの検知・試料採取を主とする「NBC偵察車」
第3特殊武器防護隊(近畿2府4県の防衛警備を担任、僧駐屯地/兵庫県伊丹市)から来場した『NBC偵察車』は、化学防護車および生物偵察車の後継として装備。放射線強度の測定と有毒ガス、有毒化学剤・生物剤の検知・識別および試料採取、気象観測(風向風速等の計測)などの偵察活動を行う車両だ。
通常4名乗車で移動する偵察車の扉は、防弾板を備えており、攻撃を受ける脅威がある場合は防弾板を下げて走行して、移動時は小窓から覗く。後方確認時には(バック)モニターを活用するそうだ。さらにヘッドライト付近には、通常のライトを付けていると敵から視認されてしまうため、それを防ぐために小さなライトも備えている。
ルーフには突起から空気を取り入れている円筒状の筒があり、 リヤ側の大きな突起物は試料採取する器具となり汚染物質などを採取するそうだ。その手前にある円筒状のタンクは除染剤が入っており、汚染地域を走ったあとにタイヤまわりをキレイに(無毒化)させるものになる。
また、8輪の全タイヤの前側にノズルが備わるのも特徴で、除染剤を噴霧して走りながら除染、無毒化ができるような仕組みとなっている。リヤコンビライト部のラックには、近年クロカン4WD系のカスタムで流行りつつあるジェリカンが積載され、ここには軽油を搭載している。ちなみに想像どおりで装甲車の燃費は悪いとのこと(機密事項のため数値は非公表)だ。
なかなか間近で見る機会の少ない自衛隊車両(高速道路などではたまに見かけるが)だけに、童心に返り、外装パーツのあれやこれやに見入ってしまった。来年はまた別の車両(高機動車や二輪……戦闘機も!?)を見てみたい!!