最新の技術を投入するも国内では歴史に幕を下ろした5代目
そして国内最後となるのが1995年に発売されたN15型の5代目。3/4/5ドアが用意されて、ハッチバックにはセリエという新しいペットネームが加わり、パルサーの販売を向上させようという意欲が見られた。
すでにGTI-Rは終了していたが、新たにオーテック・バージョンが登場するなど、パルサーの地位の確保のための考量な思いが込められたことが伺える。CMには歴代同様に当時の旬なミュージシャンやタレントが採用されたのはもちろん、往年のロボット・アニメのキャラクターを想定されるキャラクターが登場し、幅広いオーナーにCMで訴求していた。
また1.6L 175psプレミアムガソリン仕様のNEO VVL(可変バルブタイミング&リフト機構)を採用したSR16VE(通称青ヘッド)を搭載するVZ-Rを追加発売。日産の顔を保とうという熱量がある開発がなされた。だが、パルサーの名は終わってしまった。海外でその名はしばらく残ったものの、現在はパルサーというクルマは存在していないようだ。かつて、クルマの名前らしくないとか、GNPを頑張れ日産パルサーと書いたら入社できた、という都市伝説はもはや昔話なのだ。
歴史を振り返ると、サニーのようでありブルーバードのライバルでありと、立ち位置を変え続けたパルサー。変遷を辿ればチェリーの後継がパルサーで、その後継はティーダ、現在はノートとなるのだろう。
パルサーは日産とプリンスの合併、その後の日産とルノーの合併、そのときどきの狭間に輝いたパルサー。辞書によるとパルサーの意味は、パルス状の可視光線や電波やX線を発生する天体などの総称らしい。確かに自動車の名称としては少々弱い気がするが、その意味を知るとぴったりな名称だと思ってしまう。わかる方にがはその輝きが見えるのだ。