高齢の親も家族も安心できる装備を紹介
高齢ながら運転が大好きで、まだまだ免許を返納するまでもない両親とはいえ、クルマで出掛けたあと、家族は心配で心配でたまらない……なんていうこともあるはずだ。そこで今回は、高齢の親が乗るクルマに付いていれば、本人も家族も安心できる装備類を紹介したい。
SOSコール機能
まずは、運転そのものではない、つながる安心サービスに注目である。その筆頭が、今では日産デイズなど、軽自動車にも装備されるようになった、ヘルプネット=SOSコール機能だ。事故や体調が急変した際、頭上のボタンを押せばオペレーターにつながり、消防、警察への連絡をサポート。
オペレーター側がGPSによって自車位置を確認できるため、自身で今いる場所を説明できなくても心配いらない。エアバッグ連動タイプもあり、エアバッグの展開と同時にオペレーターにつながる安心もある。高齢の親本人も、そうした機能が付いているクルマに乗っていれば、出かける前や運転中も安心でき、余裕をもった運転ができるはずだ。
また、ホンダ車のようにSOSコールボタンとは別に、ちょっとしたクルマのトラブルを遠隔でサポートしてくれるトラブルサポートボタンを用意している。また、日産コネクトやトヨタのT-コネクトナビのオペレーターサービスのように、走行中でも可能な遠隔によるナビの目的地設定をはじめ、行きたいお店などを探してもらえる(もちろん病院なども)機能もある。
これまた遠隔で目的地設定してくれる、秘書が同乗しているかのようなサービスもあるから、高齢者の親に限らず、出先でなにかあっても一段と安心である。
ダイハツ・ロッキーから始まったダイハツコネクトも、高齢の親にぴったりな機能と言える。それは「見えるドライブ」という機能で、クルマの出発、帰宅、事故・故障の発生、設定エリアからの出入りを、家にいる(別々の場所に住んでいても)家族が、スマホで親の運転状況を見守ることができるから安心である。
ブラインドスポットモニター
今では新車に、衝突軽減ブレーキなどの先進運転支援機がほぼ標準装備されている時代だ。先進運転支援機能が充実しているクルマでも、意外にオプションになっているものの、安全運転に大きくかかわる機能のひとつにブラインドスポットモニターがある(もちろん、標準装備のクルマも多い)。
ブラインドスポットモニターがなぜ高齢の親の運転を助けてくれるか? その理由は、レーンチェンジの際、ついうっかりして、死角になりがちな後方から接近する車両を見落とし、あわや接触事故!! という危険を回避してくれる可能性があるからだ。
後方から車両が接近していれば、まずはランプでその存在を知らせてくれる。もしそれでもウインカーを出して車線変更しようとすれば、ブザーなどで警告してくれたり、クルマによってはステアリング制御で危険を回避(元の車線に戻るようアシスト)してくれる高機能版もある。ブラインドスポットモニターは高齢者に限らずとも、安全・安心な機能となり得るのである。
高齢になると、周囲への注意が散漫になっている可能性がある。クルマから下りる際も、後方から自転車、バイク、クルマが接近しているにもかかわらず、後方確認せずにドアを開けてしまう……。そんな危険を回避してくれるのが、ブラインドスポットモニターを利用した降車アシストという安全機能だ。
現在ではレクサスNX(ヒンジドアのe-ラッチ)、新型ノア&ヴォクシーのフロントヒンジ式ドア(パワースライドドアはドアオープンも制御)などにしかないものの、高齢者自身はもちろん、相手に被害を負わせない安全機能でもあるのだ。ただ、この機能が欲しければ車種が限定されることになる。