フォード・マスタング:モデルT以来の大ヒットモデル
続けて西郷さんは22歳のときには「マスタング」を購入する。マスタングは1964年に登場。「ファルコン」のユニボディプラットフォームをベースとした若者向けのコンパクトなスポーツカーで、豊富なオプションと比較的安価な価格設定によりアメリカでも人気のモデルとなる。
西郷さんが所有していた車両の詳細は不明だが、新車で購入していれば1969年式となる。1969年式は初代から続くホイールベース108インチの最終年式で、エンジンも351ci(5752cc)のV8からサンダーバード用の390ci(6391cc)、ハイパフォーマンス版の302ci(4949cc)、ビッグブロックの428ci(7014cc)など豊富な選択が可能となっていた。
フォード・マスタング・マッハ1:大排気量エンジンを搭載したホットモデル
西郷さんは翌1970年、23歳になると同じマスタングのスペシャルモデルである「マッハ1」に乗り換える。1969年にマスタングのスペシャルモデルとして登場したマッハ1は、エンジンに428ci(7014cc)のコブラジェットを搭載し、市販車ベースのドラッグレースでタイトルを総なめにするなど、当時の水準としては驚くほど速かったという。それもそのはず、428コブラジェットは表向きには335psと発表されていたが、実際には400psを軽くオーバーしていたと言われている。
ちなみに当時の日本では「マッハ1」と紹介されていたが、現在ではより現地の発音に近い「マック1」と発音するのが主流となっている。