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「中古車だから」の妥協は必要なし! 「長く」「安く」乗るための選び方とメンテナンス

新型ノア&ヴォクシー

買い替えサイクルが長期化するなか選ぶべきは新車か中古車か?

 かつては何回目かの車検の時期がやって来ると、新しいクルマに乗り替えるといった定期的なサイクルが確立されていたが、近年では平均的な乗り替えサイクルが10年前後程度になっているという。この数字が何を示しているかというと、買い替えサイクルを難しくしているという点だろう。

 以前のように5年程度(長くても7年)での乗り替えの場合、クルマはまださほど古くなく下取り価格はそれなりに期待することができるため、次のクルマの買い替え資金の一部として十分に見込める。しかし、自動車ユーザーの多くが、1台のクルマを長く乗り続ける(または距離を走行する)傾向があり、そうなるとせっかく大枚はたいて買った新車も、乗り替えるころには価値はほぼゼロになってしまうことだってある。すると次のクルマは丸ごと新規の投資となる。そんな金銭的なハードルも、新車から新車への乗り替えに前向きになれない要因のひとつになってるのではないだろうか?

中古車でもしっかりメンテしたクルマは長く乗れる!

 そこで注目したいのが中古車だ。比較的、割安な中古車を購入して、しっかりとメンテナンスしていけば、まだまだ長い期間(または距離)を乗ることができる点に注目してみよう。ただし、中古車のコンディションはまさにピンキリ。年式や内外装の状態、エンジンコンディションなど、さまざまな条件を考慮しながらクルマ探しを行うと、当然同じ車種でも状態の優劣に比例して価格にもかなりの開きが生じる。どんなクルマを選べば良いのかが、中古車購入の初心者にはイマイチわかりづらいのはこの辺りが原因となっているのではないだろうか?

 新車購入時と同じく、なるべく長期間でしかもメンテナンス費用を抑えつつ乗り続けたいのなら、状態の良い&素性の知れた中古車を購入するのが比較的安心感が高いと言える。知り合いのディーラーがあればオーナーから下取った極上の中古車を紹介されるケースもあるだろう。しっかり整備されていたことが裏付けとしてあるクルマなら、安心感も高い。

 筆者はこれまで何度かクルマを購入してきたなかで、面識があったディーラーメカニックの奥さんが所有していたクルマを購入したことがある。整備記録も完璧で消耗品の類いもほぼパーフェクトに整備されていたので、年式の古いクルマだったにも関わらず、次の車検までノーメンテで乗ることができた。こんなケースはいつでも訪れるワケじゃないが、安心感を買うならばそんなクルマを探すのも手だろう。

激安車をしっかりメンテナンスして維持するのもひとつの選択肢

 一方で価格重視で購入し、乗り出してからのメンテナンス費用は事前に見込んでおく、または早期の乗り替えを想定してクルマを選ぶという方法も近年は見られる。地方の街道沿いに「○万円」などのプライスタグが掲げられている中古車(いわゆるケタ車=ひと桁万円の価格が掲示されたクルマ)が究極の例だろう。もちろん壊れているワケではないが、リスクは覚悟で買うことがこれらのクルマの暗黙のルールだろう。

 自営で運送業務を行っている知人は営業用のバンを格安で手配し、「壊れたら乗り替える」という割り切った運営を実際に継続して行っている。そんな面倒な方法を採っている理由を聞くと“その方が総合的なランニングコストが安く上がる”ことが多いという。これもまた中古車導入のひとつの考え方として覚えておくといいだろう。

車両購入には本体価格のほかさまざまな経費がかかる

 では中古車の購入時にはどの程度費用がかかるのだろう? 一般的に言われているのは車両価格の10%~20%が相場と言われる。税金や保険などの法定費用に加えて、登録代行、納車整備、車庫証明の代行などの費用がかかるが、コストを少しでも抑えるには、これらの代行を自分でやる方法もある(可能かどうかは中古車業者に相談が必要)。プライスタグだけではなく、総合的な支払総額を一度計算してから購入計画を立てるといいだろう。

 中古車の支払総額が算出できたら、一度同クラスの新車価格と比べてみるのもアリだ。新車と比べて導入時の金額を抑えることで、アフターパーツ、ガソリン代や旅行資金などにも回せると考えると、カーライフとしてはむしろ豊かになるケースもある。ただ“クルマを所有したい”のではなく“クルマで何がしたいか”が明確なユーザーであるならば、そんな選択肢が有効になる。

中古車購入の場合はイレギュラーな出費の備えが大切

 魅力的な面も見えてきた中古車だが、日々かかるランニングコストは新車とほぼ同じだと考えていい。ただし、大きく異なるのはメンテナンス費用だ(経年すると自動車税や重量税など一部の税金も高くなる)。年間の維持費には税金、保険、ガソリン代や駐車場代など、ざっくり計算するとコンパクトカーでは30万円程度、ミニバンで35万円程度は必要だとされる。

 ただしイレギュラーな出費であるメンテナンス費用は故障箇所によって費用がかなり上下するので要注意。エンジン関連のトラブルであれば数十万円もの出費になるケースもある。ヘビーな修理に直面したら“修理する”のか“乗り替える”のかを悩むケースも実際にあるほどだ。

 これらの条件をすべて把握した上で中古車のメリットを感じるユーザーも多いだろう。自分のライフスタイルに合った中古車を見つけ出せれば、金銭的にも余裕のある幸せなカーライフを送れるようになるはず。これまで新車を乗り継いできたユーザーも、クルマの乗り替えを考えるタイミングであらめて中古車の選択肢も検討してみてもいいのではないだろうか。

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