あると便利なアイテム&機能を紹介
足腰が弱った高齢者でも、元気だったころのようにドライブを楽しみたいし、病院などに自家用車で通う際、できるだけ快適かつスムースに乗り込みたいはずだ。ドライブは気持ちを明るく、元気にさせる力があり、また乗り込みやすいクルマは、外出がおっくうにならずに済む効果さえあると言っていい。
【回転クッション】
すでに所有しているクルマが一般的なクルマであっても、高齢者が乗りやすくアレンジできる。例えば、助手席、後席のシートの上に置く、回転式マットだ。これがあると、座ったまま体をクルリと回転することができる。乗り込む際も降車する際も、より楽になる。
【ユニバーサルステップ】
ミニバンやSUVなどでステップが高いというなら、車内に収納してもジャマにならないステップを用意するといいだろう。仮にリヤドアのステップ高が40cm以上あっても、高さ20cm程度のステップがあれば、乗降はグッと楽になる。20cmというのは、新型ノア&ヴォクシーのユニバーサルステップも採用する高さなのである(車体側のステップ高は380mm)。
【アシストグリップ】
また、乗り降りする際に体を支えるためのアシストグリップもあるといい。ミニバンのBピラーには縦長のアシストグリップが付いているのが普通だが、その高さも重要。適度に細く握力をあまり要しない、適切な位置にある、滑りにくいグリップであることもポイントだ。アシストグリップが付いていないクルマでも、アフターパーツでアシストグリップパーツがあるので、装着すればいいのである(前席ヘッドレストのステーに取り付ける横バータイプが便利)。
【パワースライドドア】
もちろん、足腰の弱った高齢者を後席に乗せるのであれば、ヒンジ式ドアより、パワースライドドアが有利なことは言うまでもない。そのパワースライドドア車(ミニバンやプチバン、スーパーハイト系軽自動車)でもステップが低く、段差なしにフロアに続くワンステップフロアだとさらに快適な乗降が可能になる。
ステップ地上高は、一般的には360~400mmの高さにあるのが普通ながら、それでも高く足運びがしにくいというのであれば、冒頭に触れた折り畳み式のステップ(脚立式やボックス型がある)を用意すれば完璧だろう。ステップを選ぶ際は、高さや滑りにくさとともに、格納性も重要なポイントとなることをお忘れなく。
【ウェルカムランプ】
また、夜間の乗降では、ステップ部分の照明も不可欠。純正で付いていなければ、DIYなどしてLED照明などを付けてほしいところだ。
【ウェルキャブ】
しかし、今乗っているクルマが、そうした目的や乗降性の解決になかなかそぐわない場合は、いっそ、非課税になるウェルキャブを検討するのもいいだろう。コンパクトカーからミニバンまで、例えば助手席回転シート、後席の回転シートが用意されている。
最近、感心したのは、新型ノア&ヴォクシーのウェルキャブだ。車いす仕様車はスロープの角度が穏やかで(そのぶん、スロープは長めになるが)、操作しやすく、なおかつスロープが見事に荷室下に収まり、普段使いにもしっかり対応してくれるのである。
さらに、新型ノア&ヴォクシーのサイドリフトアップチルトシート装着車があり、後席が車外へスライドダウン&チルトして、着座や立ち上がり性をサポートしてくれる。特筆すべき点はスライドドアから出るサイドリフトアップチルトシートの車外への張り出し量が極めて小さいところ。
大きく張り出してしまうと、駐車環境によってはシートは外に出ても人が乗り降りしにくいことにもなるのだが、この新型ノア&ヴォクシーのサイドリフトアップチルトシートは、従来の1100mmの約半分の550mmで済むのである。実際に体験してみたのだが、チルト機構によって降車の際の座面の前下がりの角度、座面のホールド感にも配慮されているのだ。
いずれにしても、足腰が弱った高齢者は家にこもりがちだが、積極的にクルマで出掛けさせてあげることで、足腰は元に戻らないかもしれないが、高齢者が大好きな場所へのドライブによって元気を取り戻せる可能性大。ぜひ、クルマの乗降お助けアイテムを活用し、乗降に配慮した上で外へ連れ出してあげてほしい。