尖ったカスタムを楽しむなら正しい知識と手段で行うこと!!
乗って楽しむ、洗車して楽しむ、カスタムして楽しむ……など、クルマに求める楽しさは十人十色ですが、今回は「カスタムを楽しむ人」に少しばかりのアドバスをお届けしたいと思います。自分らしさを引き立てるカスタムは楽しいものですが、その手段を間違ってしまうと「ヤバイ」ことになる可能があり、カスタムを行うにはしっかりとした取り付け技術と知識が必要になることを覚えておきましょう。
危険なカスタム01:極端なローダウンはクルマの寿命が短くなる
クルマと車高はカーマニアにとって永遠のテーマ。昭和時代のシャコタンから始まり、現在はローダウンという形へと進化を遂げ、最近では高性能な車高調整式のサスペンションやスポーツサスキットが高い人気を誇っています。高性能なサスペンションキットはローダウンとともに走行性能と快適性を高い次元で融合させ、スポーティな走りを提供してくれますが、極端なローダウンはロードクリアランスが狭くなり路面や障害物にアンダーボディやアーム類、前後のバンパーを打ちつけてしまう可能性が高くなります。
外観からは見えないクルマの下面にはクルマの性能を左右する重要なパーツも多く、路面や障害物との接触はクルマの寿命を縮めてしまう原因になることを覚えておきましょう。
危険なカスタム02:引っ張りタイヤの空気圧は日常的な確認が必要
ホイール幅に対して幅の狭いタイヤを装着する引っ張りタイヤ。個性的なフォルムが楽しめる反面、細いタイヤを極限まで広げるために高い空気圧が必要になります。簡単に言えば空気の力でタイヤを広げてホイールに押しあてなければ、タイヤが外れてしまうことになるのです。基本的にはビードと呼ばれるタイヤの耳部分がホイールにハマっているので、通常の状態では外れることはありませんが、空気圧が低い状態で段差を乗り越えたときや据え切りでハンドルを切ったときに大きな負荷がかかり、ビードが外れることで空気が一気に抜けてしまうこともあります。
空気圧を高く設定する引っ張りタイヤの場合には、トレッドのセンター部分が膨らんでしまい、中央部が摩耗してしまうことでタイヤの寿命が短くなる傾向があるので注意しましょう。引っ張りタイヤを装着する場合には日常的に空気圧を確認して補充、管理することをお忘れなく。
危険なカスタム03:鬼キャンはタイヤや足まわりにストレスを与える
鬼キャンと呼ばれる極度にキャンバー角を付けるカスタムはひとつ間違うと取り返しのつかないトラブルの原因になります。角度の付いたキャンバーによってタイヤが「ハの字」になり、接地面が内側に偏ることでタイヤの寿命はとても短くなり、片減りと呼ばれる編摩耗の原因になります。
また、乗り心地や直進安定性の悪化、雨の日のグリップ不足などの大きなデメリットだけでなく、足まわを構成する部品に強度のストレスを与えることになり、ブッシュやアーム、ハブなどが破損する可能性が高くなることを頭に入れておきましょう。内側だけが摩耗する片減りは横方向からの確認では見落としてしまう可能性があり、クルマの前後方向から摩耗具合を確認することが大切です。
危険なカスタム04:ダッシュパネルの装飾はしっかりと固定すること
クルマのダッシュパネルにフィギュアやUFOキャッチャーでGETしたキャラクターを並べている人を見かけますが、かわいらしいカスタム(?)である反面、意外と危険な行為であることを認識しておきましょう。ひと昔前に流行したホワイトのモヘアやファーをダッシュパネルに貼っていたのと同様で、光の加減でダッシュパネルの装飾がフロントガラスに反射してしまい前方が見えにくくなってしまうのです。
また、並べた装飾品が加速や制動、コーナリング時に落ちてしまい、ビックリして操作を誤ったり、走行中に拾おうとして事故を起こしたという例もあります。足元に転がってきた装飾品がブレーキペダルの下に入ってしまうと大きな事故を引き起こすことにもつながります。ダッシュパネルに装飾品を置く場合にはしっかりと固定して脱落しないように注意してください。
危険なカスタム05:スポイラーに掛かる風圧は想像以上に過酷なもの
最後はエアロパーツ関係のお話。最近はネットショップでクルマのパーツが気軽に買える時代になりました。価格も安く手を出しやすくなった反面、粗悪品も数多く出回っているのが現状です。とくに注意してほしいのがスポイラーやリヤウイングなどのエアロパーツです。粗悪品のなかには、強度が保たれていないものもあり、取り付けも両面テープだけ……というものも数多く存在しています。
しかし、空気の抵抗は想像以上に過酷なもので、走行中にリップスポイラーやカナードが吹き飛んだり、リヤウイングのステーが曲がったなどのトラブルも起きています。このトラブルは低速域では起きにくく、空気抵抗が大きくなる高速走行時に発生することが多いのが特徴。走行中に脱落した部品が後続車に当たってしまえば大きな事故につながります。装着する場合はしっかりと固定することを心掛けましょう。