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プアマンズポルシェの渾名は人気がゆえの嫉妬か! 初代「Z」と「RX-7」の偉大なる実績

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 日産自動車/マツダ/ポルシェ/Auto Messe Web編集部

  • 初代フェアレディZと初代RX-7

  • 初代RX-7の真横スタイリング
  • ポルシェ924
  • S30型240ZGのリヤスタイル
  • 2代目RX-7
  • S30型初代フェアレディZ
  • S30型240ZG
  • 初代フェアレディZと初代RX-7

プアマンズポルシェと揶揄された2台の国産名車を振り返る

 日本には、世界に誇れる歴史あるスポーツカーがある。それが先日、先行特別仕様車である「Proto Spec(プロトスペック)」の予約が国内で開始された日産フェアレディZだ。振り返ると初代フェアレディZの登場はなんと1963年のことで、日本が誇る歴史あるスポーツカーの1台である。S30型初代フェアレディZ

 初代モデルのS30型は、現在から見れば非常にコンパクトな5ナンバーサイズ(全長4115mm×全幅1630mm×全高1280mm)ながら、2.0~2.8Lの直6エンジンを搭載。軽量かつコンパクトなボディに高性能なエンジンを積み、ストラット式4輪独立懸架を持つ走りは多くのファンを魅了した。またスタイリングも薄口グリルと丸目ヘッドライトが印象的なロングノーズ&ショートデッキという、スポーツカーらしい佇まい。ひと目でスポーツカーだと認識できる走りを予感させるフォルムを採用した。新型フェアレディZでもこの初代をオマージュしたスタイリングが継承されたことからも、初代フェアレディZの偉大さを物語ることができる。

北米で大成功もプアマンズの蔑称で揶揄された初代フェアレディZ

 ちなみに初代フェアレディZは北米市場で大ヒットし、グローバルでは約55万台が販売された。逆に日本では極少数台のリリースであった。それもそのはず、「Z」が付かないフェアレディ(1962〜1970年生産)は、1952年登場のダットサン・スポーツ(日産の海外向けブランド名、一部日本でも使われていた)を起源とするオープンカーで、フェアレディ=貴婦人の名に恥じない美しいスタイリングのクルマであった。そこで当時の北米市場を統括した故・片山 豊氏が『北米で販売される欧州のスポーツカーに負けないクルマを作ろう』と発案して誕生したのが初代フェアレディZで、時代に合わせて貴婦人路線から一転、本格スポーツカーに転身したという経緯があった。S30型240ZGのリヤスタイル

 この初代フェアレディZは北米ではダットサンZとかZ(ズィー)カーといった愛称で呼ばれるほど親しまれ、TVや雑誌などで度重なり紹介されるほど注目を集める。“日本でもスポーツカーを作れる”ことをすでに自動車大国であった北米相手に証明し、多くのユーザーに愛され続けた。そんな初代フェアレディZだが、その人気ゆえに揶揄されることになる。それがプアマンズ○○で、ようは貧乏人向けのスポーツカーという意味で囃し立てられ、その一例がプアマンズポルシェという蔑称だ。

スポーツカーゆえのスタイリングが初代RX-7にも烙印が押される

 このとばっちりを受けたのが画期的なロータリーエンジン搭載車の系譜モデルであり、1971年に登場したマツダ・サバンナの後継モデルとして1977年にデビューしたSA22C型初代RX-7だ。空力と視界を追求したリトラクタブル・ヘッドライトが印象的なスタイリングは、ちょうどポルシェ911の販売に陰りが見えてきたポルシェが、1975年に発売したFRモデルの924と似ている? と思われたことからそうなったのだろう。ポルシェ924

 ただし初代RX-7は日本国内での評価は高く、筆者は“プアマンズ○○”という言葉をRX-7を取り扱った雑誌の記事で覚えた記憶がある。いずれにせよコスモスポーツ以来、伝統のロータリーエンジンを積むことが前提のモデルであり、ロータリーならではのコンパクトなエンジンルームは必然のスタイル。百歩譲ってマツダの開発陣がポルシェ924を横目で見ていたとしても、開発期間の違いやコンピュータやインターネットが未発達の時代に、924を真似て開発できたかと考えると難しい。両車ともスポーツカーとして生まれたことを考えれば、スタイリングがどうしても似てしまうのは道理と言える。初代RX-7の真横スタイリング

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