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いまなお生き残るにはワケがある! 初代からして偉大だったカローラとシビック

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

通好みのクルマに仕上がっていたシビック

 もう1台、初代カローラに遅れること6年、1972年にホンダから登場した初代シビックも忘れられない存在だ。カローラと同様に、この初代シビックが登場した瞬間も筆者は(物心ついてだいぶ経ったころだったから)覚えているが、第一印象は「ミニ、それとも軽のNIIIやライフを大きくしたクルマ?」だと思った。何より特徴的だったのがトランクをストンと落とした2ボックススタイルで(当初はミニとは逆の上部にヒンジのあるトランクリッド式で、すぐにハッチバックが登場した)、さらにFFも採用し、先見の明があったというか、先進的なクルマだった。ホンダ・シビック

 カタログを見ると「フロントドライブ(前輪駆動)は引っ張りながら方向を変えるやりかた。リアドライブ(後輪駆動)は直進しようとする力をハンドルで方向修正するやり方。F・Fのほうがハンドルを切った方向に駆動力が働くので、それだけハンドリングに優れ、走破性が高い」などと説明がある。ストラット式4輪独立懸架、ラック&ピニオン式ステアリングについてもカタログで謳われており、大衆車ではあるが、クルマがわかる通好みのクルマに仕上がっている……そんなアピールもされている。ホンダ・シビック

 カタログはほぼ最終型の1978年のものなので、搭載エンジンは登場時の1200から代わり、1335ccが設定されている(ほかに1500を設定)。昭和53年排出ガス規制をクリアしたCVCCで、無段変速の☆(スターレンジ)付きのATも用意されていた。ホンダ・シビック

 またこの年式では1500(75ps/11.1kg−m)の3ドアに設定された1200RSの後継車RSLがスポーティグレードとなっていて、純木製シフトノブ付きの5速MTを組み合わせ、155SR13サイズのラジアルタイヤを装着している。ホンダ・シビック

 日本車のなかでかつてのビッグネームが次々と消えていく一方で、カローラとシビックは、今も現役で続いている心強い存在だ。もちろん初代と現行型とではボディサイズも立ち位置もずいぶん変わった。けれど長年親しんだブランドが今も残ることを、嬉しく思うクルマ好きは少なくないのではないだろうか。折りしも電動化時代に突入、いろいろなことの変革期を迎えていることも確か。だが、ブランドとしてのヘリテージは大事にしてほしいという思いはある。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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