シートベルトの「着用」義務化は段階的に進んできた
シートベルトの着用義務が発生したのは1971年のことだが、このときは運転席および助手席での着用が「努力義務」として課されただけだった。道路交通法によって着用が本格的に義務化されたのは1985年9月1日のことで、高速道路や自動車専用道において運転席と助手席ではシートベルトをすることが罰則付きで義務づけられた。運転席と助手席のシートベルトを一般道でも着用することが義務化されたのは1992年11月1日のことだ。
2005年9月1日から乗用車の運転席でシートベルトを着用せずに走り出すと警告音が鳴るようにすることが義務づけられ、道路交通法が改正された2008年6月1日から、運転席や助手席だけでなく、後部座席の乗員もシートベルトを着用することが義務となった。後部中央座席に3点式シートベルトを設置することが義務化されたのは、2012年7月1日のことだ。
シートベルトのおかげで命びろいした経験
筆者は、以前、カメラマンさんが愛用しているフォルクスワーゲン・ビートルの助手席で正面衝突事故に遭い、救急車で運ばれたことがあるが、その際にシートベルトを着用していたので無事に生還することができた。ビートルのフロントセクションがすっかりつぶれてしまい、残念ながら廃車に。筆者がダッシュボードに側頭部をぶつけ、裂傷で出血するほどのもらい事故だった。シートベルトを着用していなかったら、おそらく早逝していたので、この原稿を書くことはなかったであろう。
シートベルトやヘッドレストが元々ないクルマを愛用している方々は、本当に気をつけて運転してほしい。筆者もアルファロメオGT1600ジュニアでの安全運転をこれからも続けたいと思う。