個性的なルックスがそのままあだ名に!
最近のクルマは型式で呼ばれることはあっても、旧車のように愛称で呼ばれるケースは少なくなってきたように感じる。裏を返せばそれだけ昔のクルマはデザインなどに各車個性があり、それだけにさまざまな愛称が付けられてきたとも言えるだろう。
そこで今回は、動物などに例えられた愛称を持つ個性的な旧車をピックアップしてご紹介。今のようにデザインに正解がなかった時代を楽しんでみたい。
ブタケツ/ガメラ(日産ローレル)
日産のハイオーナーカーとして誕生したローレルの2代目モデルにはふたつの異なる愛称が付けられていた。そのひとつが「ブタケツ」というもので、これは2ドアハードトップモデルの愛称として親しまれているもの。
由来には諸説あるが、リヤバンパーにビルトインされた灯火類がブタの鼻のように見え、それがリヤに備わっているからブタケツとなったという説と、ボリューミーでグラマラスなリヤセクションの造形からブタケツとなったという説があるようだ。
また2ドアハードトップとは異なるフロントグリルを持つ4ドアモデルには、そのアクの強いルックスから「ガメラ」という愛称が付けられていた。これは特撮映画「ガメラ」に登場する怪獣が由来となっており、ひとつの車種にふたつの愛称が付けられた稀有な例と言えるだろう。
ブタ目(トヨタ・マークII)
ブタの愛称が付けられたのはローレルだけではなく、1976年に登場した3代目マークIIには「ブタ目」という愛称が付けられている。
これは丸目2灯式のシンプルなヘッドライトが名前の由来と言われているが、ヘッドライトとグリルの間にある長方形の車幅灯がブタの鼻にも見えることが影響しているようだ。その証拠に、兄弟車として近しいデザインを持ちながらも、長方形の車幅灯が備わらないチェイサーではブタ目の愛称が使われていないのだ。
ちなみにこのブタ目という愛称は新車当時は使われていなかったようで、ある程度中古車として安価となってきたタイミングで、ヤンチャなユーザーが改造車のベースとするようになり、このような愛称が使われるようになったとのことだ。