3列目シートをフラットに収納できるのが嬉しい
ポイントは、床下収納式になったサードシートの構造。200シリーズのサードシートは左右跳ね上げ収納式で、畳んだ状態でもかなり積載スペースを犠牲にしていたのだが、300シリーズはスペースをフル活用。しかもフロアはフラットでスクエア、タイヤハウスの出っ張りもほとんどジャマにならないので、ボックス型の荷物を整然と積むことができる。
おまけに上級グレード車となると、サードシートの格納も復帰もスイッチひとつでOK。これは荷物量の多いとき、かなり便利に使えるのだ。またサードは5対5の分割格納式なので、荷物量と乗車人数に合わせて使える、これもアドバンテージだろう。200シリーズも300シリーズも、サードシートのあるなしで5人乗り/7人乗りが選べるのだが、200シリーズ時代は積載重視なら5人乗りを勧めるしかなかった。しかし300シリーズは積載重視でも、7人乗りをどうぞ選んでください、と言い切れるほどだ。
2列目シートは畳むもよし跳ね上げるもよし
そしてセカンドシートも、マルチな機能がたっぷりだ。背もたれは3分割式で、たとえばセンター部のみを畳めばスキー板やボード系の長さのあるギアもすんなり積載。もちろん荷物量と乗車人数に合わせてアレンジすることもできる。
ちなみにセカンドの背もたれを倒したとき、ラゲッジルームは奥行き1865mmを確保。つまり車中泊するときも、たいていの人は足を伸ばして寝られそうだ。ただしセカンドの背もたれとフロアに10cmくらいの段差ができてしまうので、ここはユーザー自身の工夫が必要になってくる。
さらにセカンドシートは座面を跳ね上げて畳むことも可能(タンブル機能)。そうすると最大で奥行き1800mm、幅1300mmあまりのスペースが出現するので、オトナふたり+子どもひとりくらいは楽に寝られそう。荷物も、シングルベッドのマットが3枚くらいは収納できそうだ。
便利機能とオプションも勢ぞろい
そのほかユーティリティとして、豊富なポケッテリア(収納スペース)や、上級車ではハンズフリーバックドア(スマートキーを携帯していればリヤバンパーの下に足を出し入れするだけでバックドアが自動開閉する)なども充実。オプションのルーフレールやラゲージマット、ハンギングベルトブラックなどを選べば、さらにSUVとしての機能をグレードアップできる。そう、走りのパフォーマンスだけでなく、ユーティリティ面でもランドクルーザー300は超優等生と言えるのだ。
ただウイークポイントは、フロアの高さゆえの積載時の大変さ(大型犬でもジャンプして乗り込むのは大変そう)と、WLTCモード7.9km/L(ガソリン)&9.7km/L(ディーゼル)という燃費。とくに燃費は今の時代、ちょっとツラい? もちろん、そこさえ納得すれば、かなり高い満足感は確実に得られるのは間違いない。ランドクルーザーのプライドは、こんな面でもしっかり伝統として受け継がれているのだ。