出力アップした3リッターターボを搭載した2代目
一方で1986年1月に登場した2代目は、キープコンセプトながら、すべてが洗練されたクルマへと進化を果たした。スタイリングはすべてのガラスに3次曲面ガラスを採用、球体イメージのフラッシュサーフェスキャノピーを基本としたものに。
イージーアクセスドアと呼ばれた4リンク式のヒンジを用い、ドアを前方に移動させながら上方を大きく開く方式を採用することで、狭い場所での乗降を向上させるドアとしたことなど、地味ではあったが意欲的なアイデアだった。
サスペンションは、4輪ダブルウイッシュボーンに。さらに、世界初を謳うトヨタ電子制御エアサスペンション=TEMSの投入も注目された。NOMAL AUTOと SPORT AUTOの2モードをもち、それぞれのモード内でダンパーの減衰力を自動で可変させる機能も搭載されている。タイヤにはピレリとの共同開発という60タイヤ(215/60R15 90H)などが設定された。
エンジンではフラッグシップの3Lツインカム24バルブにインタークーラー付きターボが装着され、この7M-GTEU型はネット230ps/33.0kg-mと一段と性能を高めたほか、2Lではツインカム24バルブ・空冷インタークーラー付きツインターボの1G-GTEU型(ネット185ps/24.5kg-m)が設定された。7M-GTEU型はのちにハイオク仕様化で240ps/35.
インテリアでは、メーターに世界初の虚像標示方式となるスペースビジョンメーター採用をはじめ、トヨタエレクトロマルチビジョンには、専用カセットテープにより車両の新機構の取説、全国高速道路情報などの表示機能を追加。エアコン、オーディオなどの操作が可能なタッチパネル(マルチコントロールパネル)も、世界初の装備として搭載した。
3代目以降は、レクサス車ありきのハイブローなキャラクターになっていった。だが、日本市場を前提に開発された1、2世代は、さすがトヨタらしい、とにかく日本のクルマ好きに100%響く内容、スペックでまとめられたクルマだった。