Mクラスミニバンよりコンパクトミニバン&プチバンが使える理由とは
アウトドアを満喫するために使い勝手のいいクルマを買いたい……。そこで多くの人が思いつくのがSUVやステーションワゴン、そしてデリカD:5を筆頭としたミニバンではないだろうか。確かにそれらのクルマは、荷物の積載や走破性などでアウトドアに適している。だが、わが家に大きなSUVやミニバンなどが、日常を含めたライフスタイルのなかで本当に必要なのだろうか? そう考えたとき「もっと小さくてリーズナブルなクルマでもいいじゃん!!」と思えるケースもあるはずだ。
ここではアウトドアでの使い勝手にも優れ、リーズナブルな価格で手に入る5ナンバーサイズのクルマたちを紹介したい。ちなみに、日本における1台のクルマの平均乗車人数は1.5人。ほとんどはひとりもしくはふたりで乗っているはずで、子どもを含む5人家族だって、後席に余裕がある2列シートのクルマで十分間に合う。年に一度や二度の、両親や仲間と合流するような多人数乗車の機会があったとしても、そのときは3列シートのレンタカーを借りればいい。さらに付け加えるなら、複数台のクルマに2〜3人ずつ同乗して移動する方が荷物も積めるし、ピックアップする場所をいくつか経由しながら目的地に向かう煩わしさも軽減できるメリットもある。
ホンダ・フリード+
フリードでも2列シートの「+」を狙え!
さて、そんなアウトドアでの使い勝手がいい5ナンバーサイズのクルマの筆頭が、ホンダ・フリード+だ(新車車両本体価格:218万2400円〜304万400円/中古車価格:約90万円〜300万円※オプション装備込みの総支払額)。フリードは3列シートのミニバンでは? と思うかもしれないが、フリードの「+」はフリードから3列目席を取り払った2列シートの大容量コンパクトワゴンというキャラクターだ。ガソリン車とハイブリッド車があり、身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準にすると(以下、同様)、前席頭上に245mm、後席頭上に220mm、膝まわりに240mmのゆとりある室内空間を備える。
さらに3列目席を取り払ったラゲッジスペースは開口部地上高335~720mm(ボード位置により変わる、以下すべて同様)、フロア奥行き890~1000mm、幅670~1270mm、最小天井高975~1360mmと広大だ。
2~3名乗車で後席を片側または両側格納すれば、フロア奥行は1600mmにも達する。ヘッドレストを逆付けして枕代わりにすれば、身長172cmの筆者が真っすぐ足を伸ばして横になれるスペースが出現。実際、大人ふたりと愛犬でアウトドア、車中泊を何度も経験。使い勝手に優れている1台と言える。一般的なステーションワゴンに比べ、ラゲッジスペースの天井高が高いことも、荷物の積載や車中泊での強みになる。
トヨタ・シエンタFUNBACE
フリード+よりお買い得で使い勝手は同レベル
トヨタにも、フリード+と同じカテゴリーの5ナンバーミニバンはある。それがシエンタFUNBASE(ファンベース)だ(新車車両本体価格:181万8500円〜253万9000円/中古車価格:約70万円〜220万円※オプション装備込みの総支払額)。これも3列シートコンパクトミニバンのシエンタから3列目席を取り払ったモデルで、前席頭上に240mm、後席頭上に210mm、膝まわりに最大170mmの室内空間がある。
フリード+同様に、大人4人でも余裕のアウトドアドライブが楽しめるわけだ(定員は5名)。ラゲッジスペースはと言えば、開口部地上高530~610mm、フロア奥行き935mm、幅1060mm、最小天井高930~1100mmと、これまた余裕たっぷり。後席を倒すだけの簡単なシートアレンジでラゲッジスペースをさらに拡大すれば、奥行きは1620mmにも達するから、ヘッドレストを逆付けすれば、車中泊も可能になるからオールマイティさを持つ。
しかも、フリード+、シエンタFUNBASEともに、バックドアを開けると大きなひさしになり、その下で直射日光や雨を避けて過ごすこともできる。または両側スライドドアを解放して後席で寛げば、まるで風の通るテラス席にいるような感覚にもなれるから楽しく快適だ。さらにシエンタFUNBASEのハイブリッド車の場合、AC100V/1500Wコンセント×2をオプション(4万4000円)で装備できる。車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジなどの家電品が使えるので、アウトドアで大活躍してくれること必至。まさにアウトドアスペシャルな5ナンバーモデルになりうるのである。