旧車にありがちなエピソードを紹介
見た目も機能も個性的な旧車に乗っていると、日々さまざまなことが起きる。筆者が実際に体験したエピソードとともに、知人、友人たちのエピソードを紹介しよう。
【エンジンの息つき】
まずは自身が経験したことから紹介していこう。旧車は燃料の供給装置がキャブレターだ。このセッティングがうまくいっていないと、標高が高い場所で息つき(アクセルを踏んでいるのにエンジンの出力が落ちる現象のこと)してしまい、坂をうまく上れないことがある。
幸いなことに、筆者の愛機は懇意にしているスペシャルショップで定期的にメンテナンスしてもらっている。そのため、いつでもどこでも快調に走ってくれるが、さほど整備していない友人のクルマは、標高が高くなると毎回失速しているのであった。
【給油キャップやバッテリーの位置がわからない】
ガソリンの給油口もデザインされているため、難解な場所にあったり、バッテリーの搭載位置が独特だったりするのも旧車ならではの特徴だ。そして、旧車はカギが多いため、ガソリンスタンドで店員さんにまとめて渡すと、「どれで開けたらいいのかな……」と困らせてしまうことになる。そして、ドアが観音開きになっている往年のトヨペット・クラウンのように給油口がテールレンズのなかにあったりするクルマは、さらにガソリンスタンドの店員さんを惑わせることになる。
また、トヨタ2000GTのバッテリーがボディサイドのパネル内に設置されていることを知らない若いメカニックも、大いに悩ませてしまうことになるのだ。
【昭和のクルマならではのステッカー】
旧車でよく見かけるのが、ウインドウに貼られているステッカーだ。昭和48年(1973年)以前の使用過程車の排ガス対策の暫定処置として、点火時期の遅角調整が行われ「点火時期調整」のステッカーが左サイドドアガラスに貼り付けが指定されていた。
ほかにも、「排ガス対策済み」というステッカーもあった。こちらは、昭和48年以降に製造されたクルマはメーカーサイドでいろいろな施策装置が取り付けられたという証。筆者の愛機には貼られていなかったので、イベントなどで見つけてはゲットし、せっせと貼っている。