今先代モデルが注目を集めている!
現在もデリバリーが追い付かないほどの高い人気が続き、納車まで1年は当たり前といわれるJB64ジムニー。待ち切れず旧モデルのJB23を買ったなんて話も耳にするが、初期型はすでに生産から25年が過ぎようとしているほどの古さだ。
当然ながら経年劣化している部分は少なくないし、オフロードで手荒に使われていた車両はなおさら。不安なくJB23で遊ぶためにチェックしたい部分、トラブルが起きやすい箇所を挙げてみたい。
持病のひとつであるハンドルの振動対策は大事
まずは『ジャダー』や『シミー』と呼ばれる、ステアリングとタイヤが大きく振動する現象。路面のギャップなどを通過したことをきっかけに、ステアリングが異常なくらい左右に震えてしまい、それがタイヤや最終的にはボディにまで波及する。
歴代のジムニーでもとくにJB23で多く発生するといわれており、原因もタイヤの空気圧やハブベアリングの摩耗などなど多岐に渡り、特定するだけでも相応のノウハウが求められるのだ。正直言って初めて乗る人に判断するのは至難の業なので、ジムニーに詳しいプロショップに相談するのが近道だ。
ちなみに筆者のJB23も同様の現象が発症したので、参考までに解消するまでの経緯を書いておく。ホイールバランスとタイヤ空気圧の調整、社外品のステアリングダンパーを装着、ステアリングギヤボックスのガタを調整。おそらくイチバン効果があったのは最後のプロセスで、調整後はステアリングの振動を感じたことがない。
当然ながらJB23すべてに当てはまるワケではないが、お金のかからない部分からチェックするのがセオリーだ。このジャダーは50~80km/hくらいの速度でギャップなどを乗り越え、荷重が抜けたのをきっかけに顔を出すケースが多いため、購入前のカンタンな試乗では気付きにくいのが厄介だ。
タービンには負荷がかかりやすくトラブルにも
続いてエンジン系はタービンの劣化だろう。ギヤ比が低いジムニーは必然的に高回転を使うことが多く、ただでさえタービンにかかる負担が大きくなりがち。定期的にオイル交換などのメンテナンスを施していたとしても、使い方によっては一般的な軽自動車のターボより寿命が短くなる。
マフラーから白煙が出たりオイルの焼ける匂いがするなら、早めにプロの診断を仰ぎ何らかの対策を施したほうがいい。
ヘッドカバーからのオイル漏れもよく見かける。交換パーツのガスケットは数千円といった代物だが、インタークーラーなどを外さないと作業できないので、DIYに自信がない人は無理せずプロに依頼しよう。
駆動系にもトラブルは起きやすい
太いタイヤを履いたりオフロードを頻繁に走っていた車両は、クラッチの負担が大きくディスクが摩耗している可能性も。AT車では助手席の足もとから『カチカチ』という音が発生し、3速ホールドになったり大きな変速ショック(ニュートラルからドライブ)が出ることがある。原因はATシフトソレノイドの不良である確率が高く、プロショップじゃないと交換は難しいだろう。ちなみに筆者のJB23は何の前触れもなく症状が出ており、事前にトラブルの兆候を察知するのは難しいかもしれない。
灯火類は新しいものに交換することで安心度アップ
最後は灯火類でヘッドライト。JB23で初めて夜間のドライブに出かけたとき、あまりの暗さに閉口したのを今も覚えている。ハロゲンにしろLEDにしろバルブだけ交換してもいいし、汚れたり傷付いていればレンズごと入れ替えてもいい。必要があればフォグランプや作業用のライトバーなど、実用性とドレスアップを両立できるのもありがたい。