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車中泊向きのクルマは室内だけで判断不可! プロが「走りの良さ」も重要と語るワケ

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: トヨタ自動車/Auto Messe Web編集部

走りも室内の広さもあるミニバン

 で、室内空間が広く、シートアレンジによって広大なベッドスペースが出現するクルマの筆頭としては、アウトドアシーンに似合うかはともかく、何と言ってもミニバンだろう。トヨタ・アルファードやヴォクシー&ノアといったボックス型ミニバンのハイブリットモデルなら、室内を大人がしっかり横になれるベッドスペースをシートアレンジによって出現させることができる。トヨタ・アルファード

 また、1400mmを超える室内高の余裕から、フラットアレンジし空間を、お座敷のように使うことができるのだ。車中泊といっても、四六時中寝ているわけではなく、日中突然の悪天候で車内に避難することもあるから、室内空間の使い方のバリエーションは多ければ多いほどいいのだ。フルフラットアレンジ

 もちろん、上記のミニバンのハイブリッド車ならAC100V/1500Wコンセントが標準、またはオプションで装備することができる。加速性能の余裕、乗り心地、走行中の室内の静かさを含む、ロングドライブにも適した走行性能がほぼすべて手に入ることになる(おそらくAC100V/1500Wコンセントが付くはずの新型ステップワゴンのe:HEVモデルも)。

 アルファードも比較的新しいトヨタセーフティセンスを標準装備し、高速走行はボックス型ミニバンならではの視界の良さ、室内空間の広さと心地よい着座感。そしてボックス型ボディによる意外なほどの運転のしやすさや動力性能の余裕もあって、運転や乗車に関わるストレスは最小限で目的地に着けるはずだ。トヨタ・アルファード

 だが、新型ノア&ヴォクシーともなれば、アルファードを上まわるトヨタ最先端の先進運転支援機能、トヨタセーフティセンスを搭載。アドバンストドライブを機能によっては、高速道路もしくは自動車専用道路限定ながら、0~約40km/h以下での夢のハンズオフドライブまで可能だ。トヨタ・ノア&ヴォクシー

 例えば往路・帰路で渋滞に巻き込まれたとしても、運転は楽々。疲れにくいというわけだ。ちなみに新型ノア&ヴォクシーの2-3列目席をフラットアレンジしたときのベッド長は実測で2050mmに達し、長身の人でも完全に真っすぐ寝れるのだから、最高である。

悪路走破性を付け加えるならSUV

 いやいや、自分はアドベンチャー気分で、悪路の先にある絶景の車中泊に適した場所を目指すのが信条……というなら、上記の要件に悪路走破性を付け加える必要がある。その点ではSUVがぴったりだろう。SUVでアウトドアフィールドに行く様子

 しかも、AC100V/1500Wコンセントが付いていればほぼ無敵になる。例えば、RAV4 PHEV、アウトランダーPHEVが候補に挙がる。RAV4なら後席とラゲッジスペースをつなげたシートアレンジによって、約1880mmものベッドスペースを作り出すことができる。トヨタRAV4のラゲッジスペース

 同じように、アウトランダーPHEVでも身長175cmの人が、真っすぐ横になれるフラットアレンジが可能であり、ともに最低地上高がたっぷりある。後輪にも駆動モーターを持つ、動力性能にも余裕がある4WDだけに、全天候型で悪路走破性にも特化した、オールマイティな車中泊カーになるはずだ。三菱・アウトランダー

軽自動車ならターボ付きのスーパーハイト系がオススメ

 とはいえ、上記のミニバンやSUVはそれなりに大きく高価だ。では、それよりも圧倒的に安い軽自動車で車中泊性能に不足なく、しかも、カップルでのロングドライブ、長距離走行で疲れにくいクルマはないものか。……じつは、あります。ホンダN-BOX

 例えばN-BOX、ルークス、eKスペースといったスーパーハイト系軽自動車のターボモデル。そしてクロスオーバーモデルのハスラーが挙げられる。とくにハスラーは前席まで使うことになるものの、最大ベッド長は2040mmに達し、大人1~2名の車中泊も可能。スズキ・ハスラー

 しかも、乗り心地は軽自動車随一。実際、ハスラーのターボモデルに(乗り心地に不利な)スタッドレスタイヤを履いて、真冬に東京~軽井沢を往復した経験があるが、上質で快適な乗り心地や車内の静かさ、そして不足ない動力性能によって、運転疲労は最小限だったのである。最低地上高は180mmあり、4WDを選べばミニマムサイズの車中泊対応のオールマイティカーになりうると実感している。スズキ・ハスラー

 アルファードやノア&ヴォクシー、RAV4、アウトランダーほどの室内空間や動力性能は持ち合わせていないし、AC100V/1500Wコンセントも用意されていない。だが、価格を考えれば、よほどの長距離移動でなければ、ハスラーでも移動・車中泊性能に不足なし、といったところだろうか。

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